現在、セラピスト兼カウンセラーとして活動しております。私自身もそうですが、周りの友人の中にもACE(逆境的小児期体験)の後遺症を抱える人が多かったので、何かできることはないかと認知行動療法を勉強し、心理カウンセラー・メンタルトレーナー・認知行動療法士の資格を取りました。資格だけではどうにもならないので、心身両面でサポートできるように個人サロンをはじめました。ここに訪れてくださったみなさんのきっと多くのかたが「サバイバルモード」で生きて抜いてこられた方だと思います。私もそうでしたので、みなさんのことを戦友のように感じています。 ここで出会えたことを本当に嬉しく思います。

私たちにとって状況を変えるというのは難しいことが多いですが、(それが子どものみなさんであればなおさら)おなかがいっぱいでも思い出すだけで食べる余裕ができる甘いもののように、いっぱいいっぱいな時でも思い出したら、自分を愛おしく思えるそんなベツバラを一緒にメイクできればと思っております。

私自身いろいろ学んでいる最中ですが、いまなお闘うすべての戦友のみなさんに心を込めて言葉をおくります。

いま、どこかで闘っている勇敢な子どもたちとも(大人の中の小さな子どもたちも含め)あなたは独りではないこと、あなたは愛されていること、それが嘘じゃなくて事実であることを一緒に探す旅をここでできれば、、、そう思っています。

私の好きな日本の技術に、金継ぎという伝統技術があります。この技術は傷をなかったことにするのではなく、傷もその品物の歴史の一つとして考え、新しい命を吹き込むという理念のもとに行われています。

傷をただの傷のままにすることも、その傷を金で装飾し、世界に一つだけのものとして価値あるものにすることもできます。なぜこの伝統技術が好きなのかと言いますと私たちの生き方人生の捉え方にこの技術、理論が必要だと思うからです。

過去に経験してきた傷のようなトラウマはなかったことにすることはできません。それだけでなく、その後の人生で何度もトラウマによる影響で心にヒビが入ったり、時には割れて粉々になりそうな時もあります。

傷や割れてしまったカケラをゴミ屑のように捉えてしまうと、自分という人間を愛せなくなったり、人生を悲観してしまい自暴自棄になってしまうこともあります。

逆に、その傷をゴミ屑や存在しないかのように扱うのではなく、癒す価値があるものとして見ることができるのであれば自分という人生の歴史の一つとして数えていくことができます。

さらにその傷跡をケアしそれがあるからこそ、だれかの痛みを理解できたり、そこで培った特質や生きる力をまわりに還元できるようになると、過去の傷跡に金継ぎをしていることになります。

そうすると自分の人生をより愛せるようになりますし、その先たとえ何度も壊れたとしても、金継ぎの仕方を知っているので、割れた分だけオリジナルのデザインができ、自分自身を世界にたった1人の人としての価値を引き上げることができます。

心の金継ぎの仕方を知っている人は自分ももちろんですが、他の人の傷跡にも金継ぎをすることができるので、じぶんもまわりも幸せにすることができます。

傷は自分のせいでできるものもあれば自分のせいではなく、傷つけられることもあり、防ぎようがないこともあります。

しかし、私がこの「金継ぎ」という考え方、伝統技術の好きなところは

傷をそのままにすることも、その傷跡をケアし金で装飾することもどうするかは自分次第だということです。

トラウマは自分でコントロールできなかったことでトラウマのままになりますが、

心の金継ぎをすることは

自分には自由意志があり、選ぶ権利があって、コントロールすることができるということを自分自身に対して証明することができ、トラウマと決別する一歩になるのではないかと考えています。

その一歩を踏み出すお手伝いができれば嬉しいです。

Ai Yoshida

 

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