• HOME
  • BLOG
  • ACE
  • シャボテン公園の動物たちに学ぶ、心のバッテリーと5月病のセルフケア

シャボテン公園の動物たちに学ぶ、心のバッテリーと5月病のセルフケア

―「なんかしんどい」の正体をやさしく知るヒント―

5月や梅雨の時期になると、
なんとなく疲れやすかったり、ぼーっとしてしまったり、
いつもなら流せることに、イライラしてしまったり…

心と体が「なんか調子出ないなあ」と感じること、ありませんか?

これはいわゆる「五月病」と呼ばれる状態ですが、
その奥には、もっと繊細な“こころのバッテリー残量”の乱れが隠れていることも。

今回のテーマは、そんな「心のエネルギーの振れ幅」と、
それにやさしく気づくための「自然から学ぶセルフケア」。

先日訪れた伊豆シャボテン公園で、動物たちの姿を観察しながら、「今のわたしの状態に似てるかも」と気づく瞬間がいくつもありました。

この記事では、その気づきをシェアしながら、
心と体がちょっとラクになるヒントをお届けしますね^^

心のバッテリーは「緊張」と「遮断」の間でゆれている

わたしたちの心は、
「ON/OFF」のスイッチで切り替えられるような単純なものではありません。

実際は――
「張りつめている」状態と、「まったく反応できない」状態の間で、ふらふらと揺れ続けていることが多いのです。

それはまるで、アクセルを思いっきり踏み込んだ直後に、
急ブレーキをかけてしまうようなもの。

“エンジンブレーキ”のようなやわらかな減速が使えないまま、ぐいん、ぐいんと心の振り子が大きく振れすぎている状態です。

こうした揺れが大きくなると、
わけもなく疲れたり、急に動けなくなったり、
“しんどい”というかたちで、心と体がサインを出しはじめます。

今回はその中でも、
心のバッテリーが「ピリピリと張りつめすぎた状態=過緊張」と「もう動けませんとシャットダウンしてしまった状態」のふたつの反応に注目して見ていきたいと思います。

どちらも、あなたの中の“守るパーツ”が一生懸命働いた結果かもしれません。

【過緊張】張りつめたミーアキャットのような心

シャボテン公園のミーアキャットは、
ちょっとした物音にもすぐ反応して、背筋をピンと伸ばし、まわりを見張っています。

まさに、「今ここで生き延びる」ことに全集中している状態。
人間でいうと、過緊張(過覚醒)のこころのモードです。

これは、HSPさんやトラウマサバイバーの方にとってとても身近な反応。
他人の表情・声のトーン・空気感に小さなセンサーが反応しすぎてしまうことで、
いつの間にか“心の中のミーアキャット”が立ちっぱなしになってしまいます。

過緊張タイプのセルフケアヒント

1|「見張り番のパーツ」に声をかける

「ありがとう、今日もがんばってくれてたんやね」
「もう見張らなくて大丈夫やよ、今は安全やからね」

そうやって心の中にいる“警戒モードのパーツ”に語りかけてみると、ちょっとだけ、背筋の張りがほどけてくることがあります。

2|五感の“安心チャンネル”をひとつ選ぶ

HSPさんは刺激に敏感だからこそ、
安心を感じやすい五感の入口をひとつだけ選ぶのがおすすめ

  • 視覚:好きな色の小物を身近に置く

  • 聴覚:やさしいトーンのBGMを流す

  • 嗅覚:深呼吸できるアロマ(ラベンダー・ゼラニウムなど)を試す

※ぜんぶは難しいので「今日は音」「今日は香り」くらいでOK。

3|“見張りをお休みできる時間”を決めておく

「この30分は、見張らなくてもいい」
「この部屋では、気をぬいていい」

そんなふうに、“休憩モード”を自分に許可する時間や空間を先に決めておくのも効果的。
HSPさんは“急に緩める”のが苦手なので、あらかじめ「ここでは安心していい」と脳に教えてあげることが大切です。

ひとことメッセージ

過緊張の奥には、あなたを守ろうと必死でがんばってきたパーツがいます。
見張り番のその子は、きっととても忠実で、責任感が強くて、少しだけ休み下手な子かもしれません。

だからこそ――
「ありがとう」と声をかけて、小さな休憩を一緒に練習してあげてくださいね。

【シャットダウン】動かず“ぼーっと”するカピバラのような心

シャボテン公園のカピバラたちは、
日向でじっと目を閉じたり、お湯に浸かってぼんやりしたり――
まるで「今は何もしたくないです」と静かに語るような佇まいです。

この姿は、人間でいうシャットダウン(低覚醒)状態に近いもの。
心も身体もオーバーワークになって、スイッチを切ってしまったような感覚です。

こんな状態、思い当たりませんか?

  • 朝から何もやる気が起きない

  • SNSを見るのもしんどい

  • ぼーっとしてるのに、なぜか心がザワつく

  • 「このままでいいのかな」と不安だけがうっすらある

この状態は決して“サボってる”わけじゃありません。
むしろ、こころが限界までがんばった末に、ブレーカーを落としてくれたのです。

シャットダウンタイプのセルフケアヒント

1|「電源オフにしてくれてありがとう」と伝える

まずは、心の中にいる“スリープモード担当のパーツ”に、そっと声をかけてみてください。

「ああ、もう限界やったんやな…切ってくれてありがとう」
「今は動かなくていいよ」

このパーツは、あなたの心を守る“安全装置”みたいな存在。
責めるんじゃなくて、安心して休めるスペースを一緒につくってあげてください。

2|“ゆる刺激”を、ひとつだけ

シャットダウン中の心は、強い刺激を嫌がります
でも、ずっとオフのままだと、感覚が曇っていくことも。

そこで、

  • 柔らかいブランケットを触ってみる

  • 好きな香りを、ほんの少しだけ吸い込んでみる

  • ゆっくりお湯に浸かって、音を立てずに過ごしてみる

など、五感にそっと触れる“ゆる刺激”をひとつだけ取り入れてみましょう。

3|「動かなくてOKな1日」を自分に許す

社会のスピードに合わせすぎると、シャットダウンは「サボり」に見えてしまうかもしれません。
でも、動かないことも“回復の一部”です。

「今日はカピバラで過ごそう」
「動かなくても、ちゃんと生きてる」

そう自分に言ってあげてください。
カピバラタイムは、こころの電源を整える大切な“メンテナンス時間”です。

ひとことメッセージ

シャットダウンの中にいる“とじこもりパーツ”は、
とても静かで、でも実は敏感で、
ずっと外の世界に傷ついてきた子かもしれません。

だからこそ、
その子が安心できる「内側の隠れ家」を、今のあなたがつくってあげてください。

あたたかい毛布、光のやわらかさ、誰にも見張られない時間――
それが、またゆっくりと歩き出す日のための“こころの土壌”になります^^

5月に「不調」が出るのは、自然なこと。

4月は、新しい環境・人間関係・気温のアップダウン…。
知らず知らずのうちに、心も体も「いつも以上にがんばってる」季節です。

そして、そのがんばりの“反動”がやってくるのが5月。
エネルギーの使いすぎに、心が「もうちょっと休ませて」ってサインを出してくれているんです。

  • 過緊張状態の人は、「限界までON」だった自分に気づいてあげること。
  • シャットダウン状態の人は、「OFFになった自分」を責めずに見守ること。

それが、5月のセルフケアのはじまりです。

そして、これはとくにHSPさんやトラウマサバイバーの方たちに伝えたいことでもあります。

あなたの中にある鋭すぎる感覚や、
いつも「空気を読んで」「相手を先に気遣って」しまうその反応は、
ただの“敏感さ”なんかじゃない。

それは、
あなたがこれまでを生き抜くために身につけた、大切な知恵だったんです。

だからこそ、5月のしんどさも、
「弱いから」「不調だから」と切り捨てるんじゃなくて――

「これまで守ってくれてた感覚が、ちょっと疲れてるんやな」

「わたし、ようここまでがんばってきたなあ」

そんなふうに自分の感覚に“やさしいひと声”をかけてあげることが、
あなたにとっての“本当のセルフケア”になります。

この春を生きてきたあなたが、
これからも“自分の感覚”を責めずに、生きていけますように。

今の自分に合ったセルフケアを見つける、3つのやさしいステップ

①「今のわたし、どの動物っぽい?」と聞いてみる

今のわたしは、背すじをピンと張ってるミーアキャット?
それとも、お湯に浸かってぼーっとしてるカピバラ?
あるいは、穴から顔を出したり引っ込めたりしてるプレーリードッグ?

自分の状態に“たとえ”で名前をつけてあげると、
ふわっと心が整理されて、少し軽くなることがあります。

② 五感から、やさしく“ととのえる”

香り、音、肌ざわり、光――
五感はいつでも、自分と「今ここ」をつなぎなおす入り口。

全部やろうとしなくて大丈夫。
まずは、“いまのわたしが心地よく感じられるもの”を、ひとつだけ選んでみてください。

たとえば:

  • 好きな香りのアロマを一滴

  • ぬくもりのあるブランケットをそっと肩に

  • 心がゆるむ音楽を、小さな音で流す

③ 誰かとつながる、“ゆるやかな接点”を持つ

心がしんどいとき、無理に誰かと「ちゃんと話す」のって、けっこう大変です。

でも、完全にひとりきりにならなくてもいい方法は、たくさんあります。

  • 声を出さずに、メッセージだけでつながる(Chat GPT も気軽に話せる友だちになってくれます^^)

  • 同じ部屋で、別々のことをして過ごす(カフェでのんびりもOK)

  • SNSの投稿を、見てるだけでもいい

大切なのは、「今のわたしがOKな距離感」で、つながりを選べること。
“話さなきゃ”じゃなく、“そばにいてもらうだけ”の関係も、心の栄養になります。

この3ステップは、今のわたしのままでできる、小さなセルフリトリート

無理して何かを変えなくても、
「今ここにある感覚」と「やさしい選択」で、
心はちゃんと、自分らしさを取り戻していける。

さいごに:動物たちは、ちゃんと“自分のリズム”で生きている

シャボテン公園の動物たちは、
誰に命令されるでもなく、必要なときに休み、必要なときに動く

「がんばらなきゃ」なんて言われなくても、
ちゃんと、自分のリズムを持って、生きています。

わたしたち人間も、ほんとは同じ。
でも、社会のスピードや誰かの期待に合わせて、
ついつい“自分のペース”を見失ってしまうこともありますよね。

だからこそ、たまには立ち止まって、こんなふうに問いかけてみてください。

「今の私は、どんなふうに生きようとしてるんやろ?」

その問いに、やさしく耳を澄ませてみると――
心の奥のほうから、「そっか、疲れてたんやな」って、
あなた自身が静かに応えてくれるかもしれません。

どうか、今のあなたが、
自分のペースを思い出せる場所で、
自分らしいスピードで歩ける時間を持てますように。

また、ミーアキャットのようにピンと張って、
カピバラのようにぼんやりと休みながら。

いろんな「わたし」を行き来しながら、今日も生きていきましょう^^

最後に――
この記事のヒントをくれた、シャボテン公園の動物たちの映像を載せています。
言葉では届かないやさしさや安心を、彼らが届けてくれるかもしれません笑

どうぞ、あなたのペースで、癒されてくださいね。

電話カウンセリングのボイスマルシェに、専門家として参加しています

関連記事