ヤングケアラーの歩き方
「ヤングケアラー」という言葉を耳にしたことはおありでしょうか?
「ヤングケアラー」とは、本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っているこどものことです。ヤングケアラーは、本当なら享受できたはずの「こどもらしく過ごせた時間」ーたとえば、勉強に励む時間、部活に打ち込む時間、将来に思いを巡らせる時間、友人とのたわいもない時間といった「こどもとしての時間」と引換えに、家事や家族の世話をしています。
ヤングケアラーが担っている家事や家族の世話は、お手伝いとしてこどもが行うレベルとは違い、その責任や負担が重いものです。それによってこども自身がやりたいことができないなど、学業や友人関係などに影響が出てしまうこともあります。
・家族に代わり、幼いきょうだいの世話をしている
・障害や病気のあるきょうだいの世話や見守りをしている
・目を離せない家族の見守りや声かけなどの気づかいをしている
・日本語が第一言語でない家族や障害のある家族のために通訳をしている
・家計を支えるために労働をして、障害や病気のある家族を助けている
・アルコール・薬物・ギャンブル問題を抱える家族に対応している
・がん難病・精神疾患など慢性的な病気の家族の看病をしている家族のケアをしている
「ヤングケアラー」の存在はあまり知られていませんが、実は気づいていないだけで私たち自身が「過去にヤングケアラー」だったり、身近な人が当事者であることも少なくありません。
こどもが家事や家族のケアをすること自体は、悪いことではありません。虐待や人権侵害が絡まなければヤングケアラーだった過去がプラスになると思われる元ヤングケアラーさんもいらっしゃいます。例えば、家事や家族の世話など若い頃に担った経験をその後の人生でいかすことができたりします。
しかし、覚えておきたいこととして、こどもらしい時間を過ごすことができなかった「ヤングケアラー」に多い実情は、その後の人生にも影響があるということです。
「ヤングケアラー」は、18歳未満のことをさしますが、成人して時間が経てば人として基本的に必要としているケアが突然なくなったり、問題が解決したりする訳ではありません。
幼少期から、家庭が安心安全な居場所という機能を満たしていない中で育つヤングケアラーにとって、いろいろな苦悩・生きづらさは大人になってからもずっと続きます。親になって産後うつという形で表に現れることもあります。
なのでヤングケアラーが抱えている苦悩・生きづらさはずっと続いていくことをぜひ知ってほしいと思います。そのことを理解をしてくれる人が一人でも多く周りにいることが大切です。当事者の方は、自分がヤングケアラーであることに気付いていなかったり、ヤングケアラーにとって自分自身について誰かに話したり、助けを求めたりすることが難しいからです。
とくに子ども時代に、子どもが子どもとして扱われること、地域社会に見守られ、支えられたという経験を積むことがその人の人生においてとても大切になってきます。
今回「ヤングケアラー」について学ぶのに参考にした本は「ヤングケアラーの歩き方」です。この本には、ヤングケアラーを生む家庭が陥っている機能不全について、またそれがヤングケアラーに与える影響などヤングケアラーの世界を理解するのに役立つ情報がつまっています。
この情報で、自分がヤングケアラーかヤングケアラーではないか、それを追求するというよりも、あなた自身がご自分の置かれている環境を理解し、自分の居場所や将来に少しでも希望が見つけられる機会をつくり出すヒントになれば嬉しく思います。
嘘で世界を守る
ヤングケアラーは、いつも自分以外の家族のことを心配しているため、自分が困難な状況に陥っても気づくことは難しく、気づけても言葉にすることは難しいです。
家族の日常を守るために嘘をつくことがある
子どもが嘘をつくには理由がある
家族の機能不全とその影響
・欲求不満を抱えている
家族の中でケアが必要な人にお金や時間がより多く割かれるため、欲しいものや必要なものを買ってもらいたいとも、してほしいことをしてほしいとも親には言いづらく、我慢をしたり欲求不満を抱えていたりすることが多くなる。
・嘘をつくようになる
家族が抱えている困りごとや、家族が置かれている状況を周りの人に悟られないようにしようとする。例え家族であっても、自分が困っているということを悟られないように、嘘で本音を隠すこともある。子どもがつく嘘には理由があり、家族を守るためだったり、周りを心配させないためだったりする。子どもの嘘の裏には困りごとが隠れていることもある。
・感情が麻痺する
あまりにも辛いこと・悲しいことを経験すると、自分の精神状態を保つために、記憶から消そうとする。感情を麻痺させる。悲しいことを悲しいと思わないように、自分の感情を押し殺すようになる。シリアスな場面でも笑ってごまかしてしまうことがある。
・子どもらしさを失う
子どもながらに親のことを心配したり、常に自分のことより家族のことを考えるようになることで、周りを注意深く見たり、周囲の動向を気にしたりと周りに気を使っていることが多い。 子どもらしく、自由気ままに思うままに振舞うということができなくなる。
・感じたことを素直に話せない
家族の中で起きていることは周りの人には言えない、言ってもわかってもらえないという気持ちを抱えている。そのため、自分の感情を外に出せず、嘘をついたり、愛想笑いをしたりしてごまかしてしまうことが多い。自分が感じていることや、本音を素直に言うことによって、家族が悲しんだり、家族を傷つけたり、また自分が誰かに傷つけられたりすることを恐れ、本当の気持ちを素直に話せなくなる。
ヤングケアラーのみなさんへ
・ヤングケアラーについて知る
ヤングケアラーとはどういう人のことをいうのか、自分の置かれている状況やヤングケアラーの特徴を理解することが、将来幸せに生きていくための大切なヒントになることもあります。大人ですら抱えきれないことを子どもが担うことになるので、あなたがうまく対処できなくて当然です。うまくできないからといって、無力感を感じる必要はありません。
いつも我慢している、いつも自分の感情を押し殺している、そんな自分のクセを知ることも大切です。
本来、子どもには自分の本当の気持ちを伝えてもいい、自分の気持ちを大事にしていい、大事にされる権利があります。
それをどうか知っていてください。
・自分の気持ちを大事にする
ヤングケアラーは、自分のことより家族優先。自分の気持ちを後回しにして、家族の気持ちを優先しがちです。でも、あなた自身も大切な存在。もっとわがままになってもいいんだよー!
あなたはなにが好きですか?
あなたはだれといる時が心地いいですか?
あなたはどこにいる時が落ち着きますか?
どんな瞬間が楽しいと感じますか?
どうか自分を大事にする瞬間・自分が心地いいと思える時間(リソース)を意識的に作ってください。
だれしも幸せに生きる権利があるように、それはあなた自身にもあてはまります。
自分の気持ちを知って大切にすることからはじめてみてください。
周りの大人ができること
・偏見をなくす
家庭環境が複雑で、周りから見ても「あそこの家は・・・」と問題視されてしまうような状況にある場合、「大変な家の子だから…」という偏見の目で見られることも高く、周りの厳しい目を肌で感じれば感じるほど、困っていても誰にもいえない、わかってもらえないという孤独を感じます。困った子、かかわりづらい子というレッテルを貼って見るのではなく、この子は何か困っていないかな?何か抱えていないかな?という目線でとらえていただけたらと思います。
子どもたちには、自分の困っていることが恥だと思う必要がないこと、隠す必要がないのだと思ってもらえるような環境を作ることが、私たち大人にまずできることだと思います。
わかったふり、良かれと思ってすることは、時に子ども達を傷つけてしまうことがあります。知る努力をしなければ見えてこないことがあります。
私もセッションでお会いする方たちと関わる度、自分の常識・自分の価値観、それらが時に邪魔なものになることがあると感じます。たとえ自分と似たような背景を持っている人でも、その人の人生と私の人生は違うものです。なので毎回頭と心の中をまっさらな状態にする必要があります。
子ども達は自分が大事にされた経験がないと、人を信頼することや頼ることができません。逆を言えば、自分を受け入れてもらえたという感覚を持ち、人に頼ることができれば、生きづらさを感じずにすむようになります。
このブログを読んでくださっているあなたのように知る努力を惜しまない存在は子どもたちにとって貴重です。
家族を守るリトルガードマン
家族の中で大人が子どもを守るという機能を果たせなくなる場合、本来は大人から保護されるはずの子どもが大人の代わりに家族を守る役割を果たすようになります。家族からはケアをすることが当然とみなされ、家族以外からは家族の世話をするよくできた子として褒められることもあるので余計に期待に応えようとがんばります。
しかし、その役割をうまく果たせていないように感じる際、自分を責めたり罪悪感を持つこともあります。
本来であれば自分も守られるはずの存在なのですが…
家族の機能不全とその影響
・大人の代わりに子どもがケアを担う
自分自身も大人から見守られていいはずの子どもだが、子どもが子どもの見守りをする、子どもが大人の見守りをする、そんなことが日常的になっている。
・放任・無関心
家族にケアが必要な人がいる場合、その人へのケアが家族の関心事の中心になっている。子ども自身もそのケアに加わることによって、子どもに対しての見守りが手薄になってしまう。そのためその子どもに対して放任になったり、無関心になったりしてしまう。
・自尊心の欠如
ヤングケアラーは、家庭の中で、頑張ることが当たり前、手伝うことが当たり前、家族を支えることが当たり前とされ、自分でもそう思っていることが多い。頑張っていても褒められない、認められないこともある。何かできなかったことで、自分を責めたり気に病んだりして自尊心の欠如を招くようになる。
ヤングケアラーのみなさんへ
・ヤングケアラーもケアされるべき存在ということを知る
ヤングケアラーは、家族の世話や家事を幼い頃から任されているので、そうすることが当たり前になっています。
家族が大変だから自分が頑張らなくてはいけないと思っているので、困りごとを、家族にも、家族以外にも言えずに抱えています。 困りごとは、自分が何とか解決しなくてはと、ひとりで、もがき、踏ん張って生きています。
誰かに頼ることができないまま大人になり、大人になってからも、人に頼ることが苦手で、抱えすぎてバーンアウトする元ヤングケアラーの方は多いです。
あなた自身も自分はケアされるべき存在であるということを知ってほしいです。
・頑張らない自分もオッケー、自分を自分で認める
自分が何とかしなくては、自分が頑張らなくてはと思って生きてきた人達は、頑張れてない自分を、ダメな自分だと思いがち。
うまくいかない時、無気力になったり、鬱っぽくなってしまったりということもあります。これまで頑張りすぎて張り詰めていた糸がプツリと切れた状態のようです。
家族のために頑張ること、家族を支えることが自分の役割だったのが、それすらできない自分には価値がないとさえ思ってしまう人もいます。
どんな人も休まずに走り続けるなんてことはできません。睡眠や休息、栄養補給が文字通り必要なように、人生においても気力や体力を養うことが必要です。「いつもよくがんばってるね」と、まずは自分が自分の応援団になってあげましょう。
周りの大人にできること
・見守り隊になる
ヤングケアラーは、大人不在の中で、子どもが子どものお世話(下の子のお世話など)をしていたりすることもあり、大人の目が行き届かない状態に陥りがちです。そのため、事件や事故にもあいやすく、生きていく上で安心安全が守られていない状態にもなりえます。
そんな子どもが社会との接点を持てる場所は、地域であったり学校であったり、ほんの限られた空間でしかないので、だからこそ、そんな場で出会える大人の存在はとても貴重です。
私も何気ない身近な大人の関心に救われたことがあります。孤立を感じる中、自分に向けられる挨拶一つでさえも自分がこの世界にちゃんと存在していることを感じる機会になっていたのを思い出します。
鎧を着た優等生
家族という小さな社会の中でしか生きられない子どもは、その大切な家族が少しでも社会に受け入れられてほしい、差別を受けないようにしたいと考えています。
そして、生き抜く術として、家族の中でも外でも、いい子でいることで「ここにいてもいい」という場所を作っているところもあります。 逆に言うと、いい子でいないと「ここにいてはいけないのではないか」と無意識に不安を感じているともいえます。
「いい子」でいるのは、”普通に”生きていくための戦術。
「いい子」でいるのは、安心して居ていい居場所を失わないため。いつも笑って居たとしても、実は心の中では泣いていることもある。
だからこそ、だれかが自分の本当を気持ちに気付いてくれたかもと思える瞬間が、鎧を着た心に光がさすような救われる経験となることもあります。
家族の機能不全とその影響
・精神的虐待
子どもの周りにいる大人(ケアされる側)が、子どもに対して暴言を吐いたり、夫婦喧嘩など暴力的なシーンを見せたりと、精神的苦痛を与えることがある。
・身体的虐待
子どもの周りにいる大人(ケアされる側)から、ストレスの吐けぐちとして子どもが暴力を受けることもある。子どもは力が弱く、大人からの暴力には抵抗できないし、暴力を受けたとしても、そこから逃げ出すこともなかなかできない。
・感じたことを素直に話せない
家族に起きている困りごとについて、自己解決をしなくてはならないと思っている場合が多いので、家族にも弱音が吐けない。周りの人に対しては、なおさら素直な感情を表現することが難しい。
偏見・差別を受けたくない、恥ずかしさもあり、本当の姿を見せないようにしてしまうこともある。あまりにもそれが上手なため、はたからみると、「良い家庭」として映ることが多い。
・他者との関係性がつくりにくい
家族内の問題という、人には相談しにくいことを抱えているため、本当の気持ちを人に言えない、言わない、という状況になっている。本音がいえない結果、他者との距離をとるようになったり、他者にはわかってもらえないとあきらめていることがある。
・社会から孤立する
ケアに追われていて自分の時間がなかったり、他者とのコミュニケーションを取る余裕がなかったりすることで、地域社会から孤立してしまう。そのため家庭内の問題を加速させ、問題が外に見えにくくなる。
・自己責任だと感じる
家庭内で起きている問題は人には言わないようにと親から言われているケースもあり、家庭内のことは家庭内で解決するしかない、他者とは関係のないこと、すべて自己責任であるというような概念がつきまとう。
ヤングケアラーのみなさんへ
・自己責任という意識を捨てる
家族の事情は人それぞれで、他の家族と比べることはできません。機能不全家族の中でヤングケアラーとして誰かの世話をし、自分が置かれた場所で踏ん張ること、頑張ること、それができることは、その人の持つ生きる力でもあり、強みでもあります。
その生き様はあなたの強みでもありますが、頑張りすぎる生活を長く続けることはかなりのエネルギーがいることです。時にはきついことから逃げること、辛いことから離れること、踏ん張ることをやめること、そういうことをしてもオッケーだと、それは自然で当然なことだと思ってほしいです。
「家庭内の問題なんだから人には言えない」
自分の家族だからと責任を感じる人もいますが、たまたま生まれ育った家庭環境がそうなだけで、それをあなた一人で背負う必要はないですし、あなた一人が抱える問題でもありません。あなた自身もケアを受けられるべき存在であり大切に守られて当然な存在であるということを、どうか知っていてください。あなたの身に起きていることは、あなたの責任ではありません。
なんどでも伝えます、「あなたは悪くない」と。少しずつでもいいのであなたが背負ってきた荷をおろしてあげてください。
・この人なら話せる、というキーパーソンを見つける
どうしようかな、大変だな、少しでもそう感じたとき、ちょっと周りを見渡してみてください。
通っている学校の先生、習い事や部活の先生、友達のお母さんなど、見渡してみたら、話を聞いてくれそうな人はいませんか?
力になってくれそうな人はいませんか?
「家族の中で起きていることを、人にいうのは恥ずかしい」「家族の中で起きていることを、人にいっても仕方ない」
そう思ってしまって話すのを尻込みしたくなるかもしれません。
でも、家族の中で起きていることは、外からは見えません。 声をあげないと気付いてもらいにくいことも事実です。
子どもは世界が狭く、出会える人も、本当にごく少数です。
だからこそ、数は少ないかもしれませんが、自分の周りにいる大人で、この人なら、と思える人を見つけてほしいです。
きっと周りに誰か、力になってくれる人はいます。 理解してくれる人は見つかります。 あなたの周りに一人でいいのでそういう存在がいて、胸の内を話すことができるように祈っています。
周りの大人にできること
・お助けマンになる
家庭内の問題を解決したくても、行政の窓口というのはハードルが高く感じます。ケアが必要な家族がいて、気持ちにも時間にも余裕がない場合、自分からそういった社会資源にたどり着くのが困難な場合があります。
なので、その家族の周りにいる人たちが窓口になり、必要な社会資源につながるための橋渡しの役割をすることも大切になります。
家族以外のだれかと安心してつながることができるだけでも孤立を防ぐことができます。
専門家である必要はありません。周りにいる大人が、子どもの表情・言葉の変化に気づいてあげられる存在であるなら、それが子どもの人生を変えることにつながることがあります。
自分の居場所を見つける
ヤングケアラーは、常に家族の誰かのことをケアする役割を担っているため、家庭の中でほっとできる時間や安心できる居場所を作れないことが多いです。そのため、自分自身のことに時間を割いたり、気持ちを向けたりする余裕もなくなります。
だからこそ自分が自分でいられる場所があることや、自分のことだけを考えていい時間が持てることは、健康に生きていくために必要です。
「家族の中の自分」ではない、「家族以外の人といる自分」と出会えると自分の居場所を見つける転機にもなることもあります。
当たり前のようで当たり前にできなかったことを経験したり、家族ではない誰かと出会える場所が必要で、そうすることで、将来の目標を持てたり、生きる希望を持てることもあります。
家族の機能不全とその影響
・自分時間がない
家族の世話、家事に時間を割かれてしまうため、そこから解放されて、子どもが手放しで自分自身でいる、子どもらしく過ごせる時間が少ない。
常に誰かの世話をすることが当たり前になってしまっているので自分自身のことに時間を割くことができない。
・家庭が常に緊張状態(安心できない)
ケアが必要な人が家の中にいると、いつ、何が起こるかわからないという緊張の中で過ごす。本来、家庭の中はリラックスできる空間であってほしいが、家庭にいてもリラックスできない緊張状態が続いている。 安心安全な居場所がないということは、人間に備わっている基本的欲求が満たされていないということ。
ヤングケアラーのみなさんへ
・安心していることができる居場所を探してみる
ヤングケアラーは、家庭の中で、いい子でいること、頼られる存在でいることを無意識レベルでもプレッシャーとして感じています。求められる自分というものを演じていることが多いです。
そんな自分が少しでも自分らしくいられる場所、肩の荷を下ろしてほっとできる場所、そんな空間をひとつでも多く持てるといいなと思います。
私の場合は、学校の図書室と近所の大学生のお姉さんといる空間、高校に入ってからは、部活をしてる時間、学校帰りに友達の家で一緒に晩御飯も食べさせてもらう時間が居場所でホッとする空間でした。
学校の教室、部活、近所の公園、友達の家などどこかひとつでもいいので、あなたが一息できる時間がもてる、自分なりの居場所が見つかるといいなと願っています。
ヤングケアラーに限らず、子ども達のために何とかしたい、という大人は世の中にはたくさんいます。子ども食堂をはじめ、各地域に子どもの居場所作りの運動が広がっています。
保健室の先生でも、スクールカウンセラーでも、話せる人がいたら、どこか子どもの足でもいける場所がないか聞いてみるとヒントになるかもです。行ってみて違うと思えば、別の場所に行ってみたらいいです。あなたが心地いいなと少しでも思える場所がひとつでも見つかりますように。
少なくとも、私はあなたにとってそんな存在になれたらと思っています。いつでも遊びに来てください。
周りの大人ができること
・子どもが安心して行ける居場所を知る
子どもだけに限らず、大人にも、家庭や学校、会社など、普段所属している場所以外の、第三の居場所が必要です。
第三の居場所は、いざという時の心の逃げ場にもなりえます。居場所というのは「場所」だけでなく、「心を寄せることができる相手や、その人と過ごす時間」 も含まれます。
大人であれば、仕事や人間関係でストレスを抱えたとき、友人とお酒を飲んだり、温泉やサウナに入る、旅に行くなどして心のデトックスをすることができます。
家族には話しづらいことも、利害関係がなく、安心して話せる相手がいて、モヤモヤを吐き出すことができるーそんな第三の居場所は、人が健康に生きていく上でとても大切です。
特にヤングケアラーにとっては、家庭が常に緊張状態で安心できない環境にあるため、家庭以外でリラックスして過ごせる場所、自由に過ごせる空間が必須です。家庭と学校だけしかないというより、選べる居場所はたくさんあって、その中から、その子自身が選んで居心地のいい居場所が見つけられたらいいですよね。もしかしたら、趣味の世界の中に見つかるかもしれません。
まずは、大人が、子どもにとっての逃げ場、居場所がどういうものがあるか、どういったものが居場所となりえるのか、それはどこにあるのか、その存在を知ることから始めていきましょう。
「子どもの第三の居場所」 「子どもの居場所」 で検索すると、 沢山の地域や団体が、居場所作りの取り組みをしています。 まずはお住まいの地域でどのような取り組みがあるのかを知ることから始めてみませんか。
全国各地の社会福祉協議会のホームページを検索すると、子どもの居場所や無料学習塾、「寺子屋事業」などが紹介されています。大人だから探せる情報があるので、まずは私たちがどんなものがあるのかを知っておくと、その情報を必要としている子どもたちに届けることができます。
たった一人の応援団との出会い
ヤングケアラーは、閉ざされた世界の中で、お世話役として家族からも期待され、家族以外の人からも、その役割を期待されることがあります。その期待に応えるため、また周りの無理解で自分が本当にやりたいことを諦めたり、無条件で諦めざるを得ないことがあったりということも…
そんな彼らが夢や希望を持って生きていくためには、周りの大人の理解と助けが必要です。
家族以外に信用できる大人、ロールモデルになるような大人と出会うことで、さまざまな価値観に触れ、こんな大人になりたい、こんなことをしてみたいと彼らの世界が広がる可能性があります。
家族の機能不全とその影響
・夢や目標が持てない
子どもの世界は狭く、大人と比べて社会経験が少ない。さらにヤングアラーの場合、周りの大人も自分のことに必死で、将来を自分で選べるような経験をさせたり、道しるべを示してあげられることも少ないかもしれない。限られた経験の中では夢や目標を持ちにくいし、夢や目標を持ったとしても、経済的な理由や時間的な制約で、あきらめざるを得ない状況になることがある。
・社会の無理解 (自己責任論)
家族の世話は家族がするものというような自己責任論は社会に根深くある。そのために家族のケアや家族というものに縛られて、自分自身の人生や自分らしい生き方をしたいと言い出しにくく、そのことが周りからも理解されにくい。
・意欲の低下
やりたいことがあっても、家庭環境がそれを許さなかったり、周りの理解がなかったりすることで、モチベーションもあがらない。どうせやっても無駄という気持ちになって意欲も低下する。
ヤングケアラーのみなさんへ
ヤングケアラーは、自分自身が育った家庭環境から、将来に対して夢や目標を持つことができにくかったり、どうせできないと諦めてしまうことが多々あります。
私も子どもの頃は長くつ下のピッピに憧れてサーカス団員になることを夢見ていた時がありましたが、いつの間にか無気力になっていてどうせ何をやっても無駄だと思うようになって、小3くらいの頃には将来の夢を書く授業の時にアルバイトと書いた記憶があります。夢も希望もないですね泣
それでも自分がなんで生まれてきたのか、生きる目的とかを常日頃考えていました。
小5、6の時に学校のクラブで国際交流クラブというのがあってそれに所属していたころに、海外のいろんな国の文化を学んだり、海外の人たちと知り合う機会がありました。
日本の中の、さらに狭い家という空間の中だけで生きてきた私にとって、すべてが新鮮でそれから海外に興味を持つようになったような覚えがあります。こうあるべきとかいう常識は小さなコミュニティの中での思考スタイルで、国や文化が違えばそんなものは通用しなくて、そのときくらいから自分の中で、おしつけられてきた枠みたいなのがなくなっていった気がします。
なので、みなさんにもちょっとでも自分の世界を広げられるように身近にあるちょっとしたチャンスをつかんでほしいと思います。
本や海外の人たちとの出会い、今はyoutubeなどがあるので、いろんな価値観に触れる機会は以前よりも増えています。
夢を持つことはいつからだってできます。私も30過ぎてたくさんやりたいことがでてきました。今はそれを一つ一つトライしているところです。ぜんぶがぜんぶうまくいってるわけではなくて、お金も時間もかけたけど、やってみてなんか違うなーなんてことはたくさんあります。それを知るのもぜんぶ自分のためなので、一つも無駄ではないと思っています。もしあなたが成人して、もう何年も、たとえ何十年も経っていたとしてもだいじょうぶです!今までやりたくてもできなかったことを、大人になった今のあなたが、子どもの頃のあなたと一緒にやってあげてください。
あなたの心を動かせられる、目標にできる人との出会いがあることを心から願っています。そしてもし、何かやってみたいこと、興味があることが見つかったら、どうせ無理だと決めつけず、口に出してほしいと思います。
あなたが言葉にすることで、応援してくれる人や、どうしたらいいかアドバイスくれる人に出会えるかもしれません。たった一人のあなたの応援団との出会いが、きっと生きる楽しさをつかむきっかけになると思います。
周りの大人ができること
・ただ、ただ話を聞く
ただ、ただ、否定せずに自分の話を聞いてくれる人の存在は、とても大事です。ただ、どーんと構えて、余計なアドバイスをせず、まずは、淡々と話を聞いてあげてください。
もし子どもが夢や目標を語った時には、それを一緒に喜んでください。どうか一緒に夢を応援する、応援団の一人になってあげてください。
時には、専門家によるアドバイスや、情報が必要なこともあるかもしれません。
どんな助けが必要だろう?
誰に相談しよう?
そんなことをそばにいて一緒に考えられる人でありたいものです。
まずは、私たち自身が、子どもの話を聞ける、信頼される大人になることから。そして、子ども達から困りごとや要望を引き出すことができたら、必要な社会資源につなげたり、必要な情報を伝えてあげられたらと願います。
・大人も相談する
大人の私達も、何か困った時・不安がある時、相談できるような相手を見つけておきましょう。
子どもは大人の反応をよく見ています。子どもには「困った時には相談してね」「何かあったら教えてね」と伝えるのに、大人の私達が誰にも頼れない、相談できないと感じるような空気感を作るなら子どもたちも相談しづらくなってしまいます。
私達も、遠慮なく誰かを頼る練習をしましょう。大人の私達も、一人で抱えなくてだいじょうぶなんだと伝えていきましょう。
私達自身も、自分の周りに応援団を見つけていきましょう。
就活・婚活ジレンマ
家族のケアや、家族のバランサーとして生きてきたヤングケアラーは、何かを判断する時、自分の気持ちよりも、家族がどう思うか、家族にどんな影響があるかを考えてしまう傾向があります。就職や結婚という人生における大きなターニングボイントにおいても、自分の気持ちや都合より、家族の気持ちや都合を優先してしまうことも。。
また、家族もそれを期待しているところがあり、無意識にかもしれませんが彼らを足踏みさせるような行動を取ったり、発言をしたりすることもあります。
ヤングケアラーは、就職や結婚で家族から離れ、ケアや役割を手放してしまうことは家族を見放すことになると感じてしまい、家を離れたいが離れられないというジレンマを抱えて生きています。
家族の機能不全とその影響
・物事の判断基準が自分以外にある
常に家族のケアをすることや、家庭のバランサーになることが自分の役割としてあるので、家族がどう思うのか、家族にどのような影響があるのかを先に考えてしまい、自分の気持ちは後回しにして物事を判断していくことが多い。家族以外の人と接する時も、相手の気持ちに添うような判断をしてしまうことがある。
・共依存
家族がその子どもに依存をしてしまう。
ヤングケアラーも家族から頼られることに存在意義を感じるようになると、依存されていることを負担に感じながらも、そこから逃れられないという気持ちになってしまう。
ヤングケアラーのみなさんへ
・だれかに話してみる
これまで周りから頼られてきたあなたにとって、誰かに頼る・相談するということは、とても難しいことだと思います。自分が困っているということにも気付かないかもしれないですし、いざという時、誰に相談したらいいのか、誰に頼ったらいいのかもわからないかもしれません。
なのでまずは、相談、、とまでいかなくとも何かモヤモヤしていることがあれば誰かに話すことから始めてみてください。人に話しているうちに、なんで自分がモヤモヤするのか整理できたり、 自分で気付くこともあります。
言葉にすることで、自分の本当の気持ちに気付くこともあります。
また、自分が抱えるジレンマやモヤモヤを誰かに話すことは、同じ思いをしている人の気付きにつながって、結果的に誰かを救うことになるかもしれません。
私も自分のしてきた経験が、相手の気持ちを理解するのに役立っていると感じられたとき、黒歴史のように感じていた過去も昇華されるように感じました。
同じような境遇に置かれている人がいることを知ると、一人じゃないと思えるし、またそれがあなたの助けになるかもしれません。
モヤモヤする、苦しい、と思ったときこそ、自分のそんな気持ちや経験をだれかにシェアしてみませんか?
周りの大人にできること
・ジレンマを理解する
ヤングケアラーは、普通だったら大人になったら自分で決められることでもなかなか自分の意思を尊重した決定をすることができません。
就職や結婚というような、自分にとって人生を変えるような大きな決断をする時ですら、自分自身の気持ちを一番には考えられず、その決断を家族がどう思うのか、この決断が家族にどのような影響を与えるかというように、判断基準を自分以外に置くことが多くなります。
また、そのことで自分の本当の気持ちとの間に葛藤やジレンマを感じ、それらをずっと抱えながら生きていきます。
家族のことを、自分が何とかしなくてはいけないと思って生きているからこそ、自分中心に考えて行動しようとすることができず、そうしたいと願う自分の本心にふたをしてしまい、自分中心に考えようとすることに自責の念すら持ってしまいます。
だからこそ、周りにいる私たちが、ヤングケアラー(元ヤングケアラー)が抱えるジレンマを想像し、理解する努力が必要です。自分の人生なのだから、自分の気持ちを優先して良いこと、家族の問題を一人で背負う必要はないことを、繰り返し伝えて背中を押してあげることもできます。
背負っているものをどうしたら少しでも軽くできるのか一緒に考えることもできます。
理解しようとしてくれる人がいると思えるだけで、苦しい中でも温かい気持ちになれるものです。
限界の扉が開く瞬間
ヤングケアラーは、誰かを頼ったり誰かに依存したりした経験が少なく、誰かのケアをすることはあっても、自分自身がケアされることには慣れていません。
通常時はそれで踏ん張れても、何かのきっかけでバランスが崩れ、ピンと張り詰めたものが限界を迎える時、心身に不調が生じることがあります。
例えば、出産育児でケアをする相手が増えるなど、心身や生活に大きな変化が生じたり、病気やケガで誰かに身の周りの世話をお願いせざるを得ない状況に陥った時など。
もともと家族の中に、頼れる相手がいない状態で暮らしていて、それがデフォルトになっているので、家族以外に助けを求めていいと考えることができずにいます。
そんな状況に陥っていることを誰にも言えず、一人で抱えた結果、うつ状態になったり絶望的になったりすることがあります。
いつも他人のために頑張るあなたこそ、時には自分の心や身体に目を向けて、意識的に自分自身を労わり、使える情報や社会資源を有効活用していただけたらと願います。
家族の機能不全とその影響
・人に頼れない
家族に頼られる・依存される存在を続けたことにより、自分が誰かに頼るということができず、自分で何でも抱え込んでしまうことが多い。誰かに身を任せる誰かを信じて、身を委ねることも難しい。
・メンタルの不調をきたす
家族に対しての責任を感じるなどと、大きな荷物を背負ってストレス状態が続いているため、さらに大きな問題を抱えることになると、ストレス過多となり、メンタルの不調をきたすことが多くなる。
不登校、うつなどになることもある。
ヤングケアラーのみなさんへ
・手放すことを知る
日本では、出産すると実母などの身近な人に、産後の手伝いをしてもらう方が多いです。
しかしヤングケアラーは、家族のケアをしてきた立場で、家族からケアをしてもらえる環境になく、現実問題家族を頼れないことが多いです。
家族からのサポートが十分に得られない場合どうしたらいいのでしょうか?
例えば家事であれば、一部を外部に委託したり(産前産後ヘルパーの利用や家事代行サービスの活用、宅配・ネットスーパーの利用など)、育児であれば負担軽減のためにベビーシッターや一時保育を利用したり、母親自身の心と身を休めるために産後ケアを活用したりと、使える社会資源は、十分とはいえないまでもいろいろと用意されてはいます。
しかし、それらの資源を使ってもいいと思えるまでには大きな心のハードルが邪魔するかもしれません。
自分の家族のことだから、自分がやらなくてはいけない、自分が頑張らなくてはいけない、そんな気持ちを少しだけでも手放すことからはじめてみませんか。
大変な時は、期間限定でもいいから、誰かに頼ってみる、そんなふうに少しずつでもいいので思えるようになっていただけたらと思います。
今まで頑張った自分を認めて、少しゆっくりお休みをあげてください。頑張らない、おサボりするあなたもOK!あなたがいつも友だちにかけているような温かい労りの言葉を自分に贈ってあげましょう。
・限界まで頑張らない
日本では約10人に1人の母親が産後うつになる可能性があるといわれています。
産後うつに対する支援としてエジンバラ産後の健診(産婦健康診査事業)によるEPDS (エジンバラ産後うつ病質問票)を用いたスクリーニングが実施されることもあります。
これらは産後うつになるリスクや精神状態についてジャッジすることが目的ではありません。
今の状態を知ることで、事前に準備できることがあるかもしれませんし、困った時に早めに対処ができるので、そのために活用できるツールのひとつとなり得ます。
リスクが高いことがわかれば、限界まで頑張らないこと。早目早目に自分の周りでサポートしてくれる人を作ること、いろいろな制度の下調べなど、心の準備をしたり環境を整えることができます。
例えば自分が冷え性だと知っているなら寒い場所に行く場合、防寒対策をします。状況は変わらずとも少しは過ごしやすくなります。
自分のことを良く知ることは、あなたがより楽に、幸せに生きるために大切ことです。
子育てに関して、経済的な支援も含め、こんな事業もあります。こちらは川崎市の例ですが、妊娠届出からすべての妊婦・子育て家庭に寄り添い、継続的に相談に応じる「伴走型相談支援」と「経済的支援」を一体とした出産・子育て応援事業を実施しています。
出産・子育て応援事業(国の出産・子育て応援給付金)
どうぞ周りにあるたくさんのサポートを、遠慮なく活用してください。
産後うつの症状には、不眠、眠りが浅い、気力が湧かない、強い不安を感じる、食欲不振、涙もろい、笑顔が少なくなる、子どもをかわいいと思えない、自傷や自死を考えることがあるといった症状があるそうです。
症状には個人差がありますがこれらの症状が2週間以上続く場合は、産後うつの可能性が高まります。
産後うつかも、と思ったら、まずは出産した産婦人科や保健センターに相談してみましょう。場合によっては、心療内科や精神科の受診が効果的なこともあります。一人で抱えずに、あなたが相談しやすいと思えるところに相談してみると、助けになるアドバイスや情報を得ることができます。他の病気やケガと同じように、症状がひどくなる前に早めに対処することで回復も早まります。
あなたの人生を大切にしてほしい理由
長い間、家族をケアしてきたヤングケアラーは、自分がこの家族の問題を何とかしなければいけないという責任感が強くなります。
また、家族からも依存されてしまっているので、そのミッションを果たすことが自分の使命だという潜在意識から抜け出すことはとても難しいです。
しかし、課題を抱えているのは家族の問題であり、誰か特定の人だけが抱えることではありません。 あなたの人生は家族のおまけとして与えられたものではなく、他でもないあなた自身に与えられたものです。
時として自分自身のために、その環境から離れてみる、飛び出してみる、ということは何も悪いことではありません。
家を出たり、自分自身が好きなことに没頭したりすると、家族を見捨てた、と感じてしまったり、時には家族からもそんな風に責められることもあるかもしれません。
しかし、私たちひとりひとり、神さまから「自由意志」というプレゼントをもらっていて、自分の人生をどう生きるかは、その人生の主人公であるあなたに選ぶ権利があります。
周りの期待や責任とは関係なく、とにかく自分自身のこと、自分の未来をどう生きていきたいのかを考えられるようになると、あなたの人生はもっともっと色づいていくと思います。
私も子どもの頃「実の親に捨てられたおまえを育っててやってるんだ」という言葉に洗脳されて、自分みたいな存在は愛される価値がない、ケアされる価値がないと思い込んでいました。
他の周りの人たちのことは大切にされるべき存在として疑いすら持たないのに、愛やケアを受けられる対象に自分が含まれることは想像すらしてませんでした。出生届を出されなかった子どものように自分は周りが普通にうける恩恵からは例外だと感じていました。
しかし、ありがたいことに周りには、偏見なく私を知る努力をしてくれた人や世界を広げられるよういろんな経験をさせてくれた人、ただただ話を聞いてくれた人がいました。みんながみんなそうだったわけでなく、偏見と差別の目でラベル張りをして見た目だけでジャッジする人も多く、本質を知ろうと時間を共に過ごし、私の染みついた洗脳を解いてくれた人は片手に収まるくらいです。
だからこそ、あなたに伝えられることがあります。応援団は多くなくても良くて、たった一人でも本当の友情や愛情を教えてくれる大人がいたら人生が変わるということを・・・そう私自身の人生をもって証明できます。
あなたが苦しい思いをしてきたのは、あなたには一切の責任はありません。あなたは悪くない。
逆に今まで家族を守ってきてくれてありがとう。
子どもにとって手にあまる状況だったのに本当によくやってきました。
あなたのことを心の底から誇らしく思います。
あなたは尊敬に値します。
それはあなた自身が
あなたが自分を守ってきたからでもあると思います。
だからどうか自信を持って
自分を愛してあげてください。
「ケアされる価値がない」「愛される価値がない」
そんな考えや言葉に揺らがないで。
あなたには十分に愛される資格があるから。
あなたを愛するのに条件はいらないから。
「生きることが楽しい」
そんな言葉をあなたから聞ける日が来ることを楽しみにしています。