脳のクセを攻略して幸せになる8つのリスト

みんなだれしも幸せになるためにいろんなことに取り組んでいたり、周りから見れば幸せそうに見える人も多いように感じます。が、残念なことに、実際幸せを感じている日本人は世界的にみると少ないそうです。GDPのランキングでは4位と比較的悪くはない日本ですが、国連が発表している2024年の世界幸福度ランキングでは日本の順位は51位だということです。

幸せって人それぞれ概念があると思いますが、脳の特性(クセ)や心理学的に実証されたコツを上手に使えるようになるとさらに、自分が幸せだと感じる時間を過ごせるようになると思います。それで、今回は最近読んで面白かった幸福の達人 科学的に自分を幸せにする行動リスト50の内容のうち特におすすめな8つを紹介していきたいと思います。

脳のクセを知って一緒に幸福な達人になりましょう!笑

1、「モノではなく経験を買う」

やること:
最近何にお金を使ったかを考えてみる
・「モノ」消費を減らし「経験」消費を増やす

研究によれば、人を幸せにするのは「経験」消費のほうだそうです。
買う予定のブランドバッグについて考えることよりも、来月の旅行のほうが楽しみで、考えるだけでテンションが上がる、という人のほうが多いということです。
研究者らによると、人間には経験に適応するのは遅く、モノに適応するのは早いという特性があるため、高価なモノを買って得られた喜びはすぐ減退してしまうのに対し、経験を通して得た喜びには持続性がある、ということだそうです。
確かに、モノは買って満足してしまうことがありますが、楽しかった思い出は色褪せず思い返すだけでも幸せにさせてくれますよね。

忙しくて・経済的な余裕であまり旅行はできないという方にも朗報です!!
旅行による幸福度は旅行の最中よりも「計画すること」の方が幸福度が高いそうです。しかもなんと8週間も幸福度が持続するそうです。自分のために2ヶ月先に何かイベントを計画してあげるとドキドキワクワクが持続しあなたの幸福度をキープしてくれるということです。

2、「今ここ」に集中する

やること:
・リラックスして目を閉じ、呼吸に意識を向ける
・手触りのいいクッションやぬいぐるみの感触に意識を向ける(ハグできるくらいの大きさならなお良き)
・5分間続ける

人間の脳は放っておくとネガティブなことを思い出したり、悩んでしまったりするようにできています。それはリスクを回避して生きるために必要なことだからです。脳科学ではこうした脳の仕組みを「デフォルトモードネットワーク (DMN)」と呼んでいます。

しかし、DMNが活性化され過ぎると、ストレス増加、脳機能の低下、クリエイティビティの減少といった悪影響が生じます。
脳のデフォルト(初期設定)はオフ状態ではなく、ネガティブ方向にフル稼働するように設定されているので、脳を休ませるためには意識的に脳の電源をオフにしてあげる必要があります。
考えに集中している意識をそらして「今、ここ」に意識を切り替えてあげることがポイントです。

そのための切り替えスイッチとしていつでもどこでもできるのは、「呼吸に集中する」ことです。実際の研究データでも呼吸に集中するように促されている時にDMNが非活性化することがわかっているそうです。

呼吸に集中するのがなんか難しいという方は、大きめの手触りのいいクッションやぬいぐるみをハグしてその感触に浸る時間を作ってあげてみてください。脳に集中した意識を末端の触覚にスイッチさせられますし、ハグすることでオキシトシンも分泌されるので安心感も生まれやすくなり、落ち着きます。

ちなみに私はミニオンのおっきなぬいぐるみが相棒です。仕事中いつも膝の上に乗っかっていて、お腹を温めるのにもいいですし、腕置きにもOK、手触りの良さを感じたり、顔を見るとなんか優しい気持ちにもなれます。クライアントのみなさんの癒しにもなっています笑

3、最高の瞬間を中断する

やること:
・大好きな活動をしている時は休憩を入れる
・嫌なことをしている時は一気に片付ける

喜びを最大化し、苦痛を最小化するためには、大好きな体験は適度に休憩を入れながら楽しみ、嫌なことは中断せずに一気にこなしてしまうのがいいそうです。
ある実験では、4人の大学生が
① 3分間続けてマッサージを受ける
② 80秒間マッサージを受け、20秒間休憩し、再び80秒間マッサージを受ける
という2つのグループに分けられ、マッサージチェアを使った調査をします。実験後に体験全体を評価してもらったところ、②のグループのほうがマッサージを楽しみ 「体験を繰り返すためにいくら払うか」という質問に対しても①のグループに比べ約2倍の金額を提示したそうです。
休憩が入ることにより、適応が途切れ、マッサージという快適な体験に慣れてしまうことなく、より新鮮に楽しむことができるということです。

実際私がやっているボディの施術メニューで人気なのは、オイルトリートメント単品よりも揉みほぐしとオイルトリートメントのセットなんですが、その理由がわかった気がします。最初はもみほぐしやストレッチをしてその後オイルのメニューに入るときに、トイレ休憩やアロマオイル選びで時間を挟んでの施術に入るので、それで満足感が高いのか〜と納得がいきました笑

なので「中断は適応を防ぐ」という仕組みを理解してそれを上手く利用してみましょう!
・ポジティブな経験の場合は休憩を挟むとより満足度が上がる
・ネガティブな経験の場合は中断せずに一気にやってしまうと上手く順応した状態を維持できる

4、環境変化<行動変化

やること:
・受身姿勢を止める(コントロールできない外部の環境に身をまかせすぎない)
・自分の意思で能動的に行動する

・A 日当たりの良いアパートに引っ越した
・B 英会話教室に通い始めた
この2つの違いはなんでしょうか? Aはポジティブな意味での「環境」の変化で、Bは自分の「行動」の変化です。こうした変化はどちらも幸福度の向上をもたらしてくれますが、その効果がより長く続くのは「行動」を変えた場合だという研究結果が出ているそうです。

行動の変化は「自分で選んで始めること」「継続的な努力」が必要なのに対し、環境変化はより偶発的であり、1回限りの変更であることが多いため「環境の変化には適応が起きやすいからではないか」と分析されているそうです。環境変化は受身ですし、適応(慣れてしまうと)が起きると喜びを感じにくくなってしまいます。逆に行動の変化は自分次第で何度だって起こせますし、試行錯誤しながらの継続的な努力は慣れとは無縁なので、新鮮に喜びを感じやすくなります。

この原理を上手く活用しているのが認知行動療法で、コントロールできない他人や周りが変わるまで待つスタンスではなく、コントロールできる自分の考えと行動を変えていくことで柔軟性のある人に成長できる心理療法です。

5、「明日起きそうな良いこと」を2分間想像する

やること:
・お布団に飛び込む
・「明日起きそうなちょっと良いこと」(例:前から気になってるラーメン屋さんに行く・朝の電車に座れるなど)を2分間想像する
・この習慣を2週間ほど続けてみる

ベルギーの大学の実験ですが、ベルギー在住の成人たちに2週間、毎晩数分間、翌日起こるかもしれない良いことをいくつか想像してもらったそうです。「良いこと」というのは本当に些細なことで、例えば「カフェでフライドポテトを食べる」といったことです。比較対象となるグループには「良くも悪くもない(中立的な)出来事」「ネガティブな出来事」を想像してもらいます。
すると2週間そうした空想を続けたところ、ポジティブなことを想像したグループの幸福感が顕著に増したという結果がでたそうです。

寝る前の数分間、ついニヤニヤしてしまいそうな良いことを想像するだけで、実際に何が起こったかとは関係なく、幸せになれるということです。人間の脳のつくりって面白いですよね笑

こんな風に心の中で時間旅行に出かけることを「メンタルタイムトラベル」というそうです。
もちろん過去にも行けますが、未来を想像することのほうがより効果的だということです。研究によると過去に起きた出来事よりも、未来に起きそうな同様の出来事のほうが人に大きなインパクトを与えるということなので、逆を言えば、未来に起きそうな悪い出来事を想像することは、大きな悪影響を及ぼす可能性があるので注意が必要です。

人間の脳はスマホと同じように容量があります。ネガティブな記憶や思考は写真や動画のようにデータとしては重たいもので、それだけでスペースを使い過ぎてしまって、ポジティブなものや他のものが入らなくなってしまいます。せっかくなら絶望よりも希望で脳の中のスペースを満たしてあげたいですね。

また別の研究では「将来の最高の自分」を想像することで、幸福度が上がるだけでなく、目標を効果的に追求できる可能性があるということです。
たしかに最高の自分をイメージすることで目標や優先順位がよりクリアになり、ゴールから逆算して今やるべきことを考えられるようになりますからね。

今晩から楽しいメンタルタイムトラベルに出かけてみましょう♪ そして、最高な自分と出会いましょう。

6、もし〇〇がなかったら?と想像し、紙に書き出す

やること:
・自分が持っている「大切なもの」(家族や友人、仕事、趣味など)を思い浮かべる
・「もしそれがなかったら?」と想像して、その気持ちをノートに書きだしてみる
・幸福感が薄れてくるたびに何度も行う

自分が持っている大切なものに着目した後、「もしそれがなかったとしたら?」と考えてみるエクササイズを「ネガティブビジュアライゼーション」といいます。これはネガティブな思考や感情を敵にせずに味方にすることです。

ヴァージニア大学などで行われた実験で興味深いのがあります。この実験では恋愛中のカップルに対し、「もし今付き合っているパートナーに出会えていなかったら?」と想像してもらった上で、「今の気持ち」を15分間書き出すよう指示されます。比較対象となるグループには現在の恋人との出会いの思い出を書いてもらいます。
普通に考えると楽しく幸せな思い出を想像した方が、もし大好きなパートナーに出会えていなかったら、とネガティブな想像をするよりも幸福度が高いように思いますよね。
しかし実際はなんと「もしもこの出会いがなかったら?」と想像したグループのほうが、幸福度が上がったそうです。もしこの人に出会えていなかったら、と考えたことで、相手の尊さを再確認し、現在の幸せをより強くかみしめることができたのかもしれません。

「もしもこの出会いがなかったら?」や「今ある日常はもうすぐ終わってしまう」と考えることも、「今持っているもの」や「何気なく過ごしている日常」が、実は当たり前のものではなく、感謝して大切にすべき対象だということを確認する行為とも言えます。
私たちはどうしても自分にないもの、持っていないものに関心が向いてしまいがちです。

なので私たちが今持っているかけがえのないもの、すでに手にしている大切なものを正当に評価して、自分が「今」十分に幸せであることに気づけるような毎日を送ってみるのはどうでしょうか。

7、「回避目標」ではなく「接近目標」を立てる

やること:
・自分の目標をリストアップする
・それらの目標を「回避目標」と「接近目標」に分ける
・全ての目標を「接近目標」に再構築する

実は目標にはあなたを幸福にする目標と不幸にする目標があります。
○○になったら嫌なので、××をやらないように気を付けよう、という考え方を「回避目標」、○○を達成するために××をやろう、という考え方を「接近目標」と呼びます。 例えば、「太らないために運動をしないと・・・・・・」というのが回避目標で、「痩せるために運動を始めよう!」というのが接近目標です。

研究によると「回避目標を追い求めることは短期的に見ても長期的に見ても幸福度にとって有害だ」と結論が出ているそうです。また、回避目標を追い求める人は自尊心が低い傾向があったそうです。
回避目標はある意味受け身なので結果は相手次第なため達成がかなわない可能性があります。自ら選んで接近していく目標は楽しいからこそ続けられるという利点もあります。

8、5分間自然の中で過ごす

やること:
・Googleマップを開く!
・半径1km以内にミドリっぽい塊(それは木だ、林だ、森だ笑)がないかを探す!
・ミドリの塊まで歩いていき、その場で5分ほどチルする

自然の中で活動することは「グリーンエクササイズ」と呼ばれ、科学的にも効果が実証されています。
自然が豊富な環境でウォーキングやサイクリングなどを行った時のメンタルへの影響を調査した結果、自然の中で体を動かすと、開始5分で気持ちが前向きになり、自尊心が改善することが研究によってわかっているそうです。ビーチや湖畔など、水のある環境だとさらに高い効果を発揮するそうです。

わざわざ山や森に行かずとも、街路樹や公園など都市の中にある緑でも十分に効果が見込めるという研究結果もあるので、忙しくてなかなか時間が取れない、という人は通勤や通学ルートを少しだけ変えて、公園の中を通るようにすることでも効果が期待できます。グリーンエクササイズは老若男女問わず、時間のない人でも、自然のある場所なら気軽に効果を実感することができるのでおすすめです。

ちなみに私は最近、森林セラピー基地を巡るのにハマっています。森林セラピーを楽しめる「森林セラピー基地」「セラピーロード」は、現地と都会で比較実験を行い、癒しの効果・病気の予防効果が科学的に認められたお墨付きの森です。現在、全国に63ヶ所あります。

森林セラピーの研究では、森林浴を行うことで森林の樹木が発散するフィトンチッドによって免疫力をつかさどるNK細胞が活性化し、抗がんタンパク質の濃度が上昇し継続するなどの効果が明らかになってきています。心と体の健康のために森林セラピー始めてみませんか?

最近行った森林セラピー基地ですごく良かったのは、長野県にある赤沢自然休養林です。都内からだと日帰りで行けますし、森林鉄道も走っているのでお子さんがいる方や年配の方ものんびり自然を身近に感じられるスポットなのでおすすめです。森林セラピーの様子を動画で紹介しているので、遠出がなかなか難しいという方はどうぞ映像から癒されてください^^

自然の写真を5分間見るだけで呼吸に伴う心拍数が低下した、という研究もあるのでぜひ活用ください笑
他にも頭心大ふぃるむのチャンネルでは自然の中の映像を配信しているので興味がある方はそちらもどうぞ〜

いかがでしたか?ここでは自分が幸せだと感じる時間を過ごすための8つの方法を考えましたが、実はこの本では50個紹介されています笑
どれも当たり前のようですが大切なポイントなので、気になる方はぜひ読んでみてください。

目指せ!幸福の達人!!

 

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