幸せなギバーであり続けるためにできること
パンデミックの中、長期間のフィジカルディスタンスが子どもに与える感情面での影響を心配されている方は多いかと思います。友だちや親族と直接会うことが難しくて一人で悩んでおられる方もいらっしゃいます。自分のことだけでも心配や不安が絶えない今、家族を守るために奮闘されているすべての親の皆さんのことを心から尊敬しています。
こういう状況でも子どもたち、また私たち自身の心の健康を守るために、私たちができることをこれからいくつかの記事に分けて取り上げていきます。子ども時代をパンデミックという逆境の中で生きることになった、今を生きるすべての子どもたちをストレスの影響から少しでも守るために周りの大人ができるサポート方法を紹介します。
この記事は親の皆さんはもちろん、子どもたち、メンタルが不安定になった時の自分自身との向き合い方を探している方、友人、一緒に働く仲間を元気づけるために頑張っておられる方などいろんな人間関係に応用していただけます。私たち自身と大切な人をこのパンデミックの影響から守るために何ができるでしょうか。今回の記事ではまず一つ目「自分自身をいたわる」大切さを取り上げます。
シャンパンタワーの法則
この記事を読んでくださっている方の多くは、親や、サービス業、なにかのボランティア活動をされていたりと常に自分を与えておられる方が多いと思います。そんな周りにいつも与え続ける皆さんが枯渇しないために覚えていてほしいのが「シャンパンタワーの法則」です。「ギバー(与える人)」という言葉をよく耳にしますが、私は幸せな「ギバー」であるためには自分自身に対しても「ギバー」である必要があると思います。
シャンパンタワーというと、グラスがピラミッド型に積み上げられていて一番上のグラスにシャンパンを注ぐとそこから溢れ出たものがどんどん下のグラスに伝わって全てのグラスに行き渡ります。パーティや結婚式などでセレモニーとして行われることがあります。
「シャンパンタワーの法則」では、一番上のグラスを自分自身、2段目を家族や身近な人、3段目を友人や一緒に働く仲間、4段目はお客さまやその他関係者の方と見立てています。
もし一番上のグラスではなく、2段目の一つのグラスからシャンパンを注いだらどうなるでしょう?一番上のグラスはもちろん2段目の他のグラスには注がれません。シャンパンが入るグラスはまだらで、最悪バランスを失ってちょっとしたことでタワーは崩れるかもしれません。
日本では、多くの方が自分自身を抑えて、まず人のために動きます。お母さんたちは、自分のことは後回しで、夫や子どもたちのためにいつも休みなく働いています。接客業の方たちは、どんなに面倒なことを言われてもお客さまの希望を叶えようと自分自身の中で生まれる感情は一旦抑え込みます。親に愛されたい、認められたいので自分を犠牲にするこどもたちもいます。
誰かの幸せのために自分を与える人生は逆に得られるものが多く本来であれば人を幸せにします。喜んでもらえると嬉しくて次は何をしようかなと考えるだけでも私たちはハッピーな気持ちになります。でも、そう思えない時ってありませんか。疲れて何もしたくなくなるような、人のために頑張ってもどこか満たされない、喜べない自分がいることに気がつく時が。そんな時にこの法則を思い出してみてください。
一番上のグラスである自分自身が空の状態では、たとえ下のグラスに注いでも全体のグラスが満たされることはありません。まず自分自身が満たされてはじめて他のグラス、大切な家族や友人を満たしてあげることができます。ボロボロになってつらい顔をしている人から何かをしてもらったとしても、私たちは幸せを感じるより胸が痛みます。生き生きしていて楽しそうにやってもらうとつられて私たちも嬉しくなります。妊娠・授乳期間のママたちは赤ちゃんが元気でいるためにまず必要な栄養素をとります。私たちもまず自分自身を満たしてあげると人を幸せにするエネルギーが生まれます。
自分をいたわってあげることが大事なのはわかりましたが、これにはもう一つポイントがあります。1回や2回で終わらせないで継続することです。
一番上の自分に注いだとしてもそれが8分目までで止めるとどうでしょう?下のグラスは空のままです。ポイントは溢れ出させることです。一番上のグラスから溢れ出してはじめて下のグラスにも入っていきます。溢れ出させるためには入れ続ける必要があります。妊娠・授乳期間のママたちは自分一人だけに必要なものではなく、プラス赤ちゃんの分もしっかり補給します。そして、ママさんたちの栄養補給はたまにではなく自分と我が子のために毎日欠かさずとります。
自分も人も幸せにするギバーであるためにはカラカラの自分ではなく、自分自身を溢れるまで満たし、定期的に補給する必要があります。これが自分も周りも幸せにする「シャンパンタワーの法則」です。
自分の心のグラスを満たすためにできること
ココロの充電方法、自分のあやし方をわかっている人は、泣きたいくらいつらいことがあっても自分を落ち着かせることができます。これをすると癒されるなとか、元気が出る、気分がアガるものをいくつかリストアップしてみてください。毎日できることや、週に3、4回できること、どこにいてもできるようなちょっとしたことでもいいので考えてみてください。それとは別にちょっと特別なサプライズのようなものも考えると楽しいです。ポイントは、だれでもなく「自分」のためにできることを時間をとってやることです。
ココロの充電リスト
- 好きな音楽を聴く
- 映画鑑賞
- 動物の写真・動画を見る
- 美味しいものを食べる、飲む
- とにかく寝る
- ガーデニング
- 本を読む
- お風呂でセルフマッサージ
- 自然に触れる
- 散歩する
- ペットと遊ぶ
- 趣味を楽しむ
- 一人カラオケ
- 爆笑する
- 新しいことをはじめる
- 自分を肯定してくれる人と話す
- 旅行に行く
上にあげたものの幾つかは毎日できてそんなに時間もいりません。ちょっとしたことでも、頑張る自分へのご褒美・プレゼントとして捉えると毎日が少しずつ変わっていきます。家で、職場で今日はちょっと大変だったなと思うときこそ、頑張ってくれた自分に感謝の気持ちを込めて心のグラスに注いであげてください。私は朝のルーティンで目覚ましが鳴ったらまず癒し系の動物の動画を見てほっこりしてから1日を始めるようにしています(笑)
私たちの心のグラスは自動的に常にいっぱいなわけではなく、逆にストレスにさらされると中身は減っていきます。たとえ減ることがあっても、毎日注ぎ続けるなら溢れ出し周りのグラスを満たしていける存在になれます。自粛期間が長引いて毎日本当に大変ですが、自分に心の余裕をつくってあげて自分も周りもハッピーにさせるギバー(与える人)を目指して一歩一歩はじめていきましょう。
あなたは今日の自分に何をしてあげますか?