山登りが解離やトラウマ治療に役立つ理由
「感覚を自覚する力を養うこと」ートラウマや解離から解放されるための第一歩
主体性は、科学者が「内受容感覚」と呼ぶものから始まる。内受容感覚とは、体に基づく感情である微妙な感覚の自覚だ。その自覚が大きいほど、自分の人生を制御する潜在能力も大きくなる。自分が何を感じているかを知るのが、なぜそう感じるのかを知るための第一歩だ。自分の内外の環境における絶え間ない変化を自覚していれば、その変化を管理する態勢に入れる。だが、それが可能なのは、私たちの監視塔である内側前頭前皮質が、私たちの内部で何が起こっているかを観察することを学んだ場合に限られる。だから、内側前頭前皮質の働きを高めるマインドフルネスの練習は、トラウマからの回復に非常に重要な一要素なのだ。
誰かからその本質的な願いを奪われると自尊心を失い、コントロールしたいのにできない状況におかれその葛藤に苦しみます。
「感覚を自覚する力」を養うトレーニング
以前メンタルを強くするのに「足元が不安定な場所での運動」(ボルタリングやサーフィン、トレイルランニングなど)が良いと聞いたことがあったのですが、この「身体はトラウマを記録する―脳・心・体のつながりと回復のための手法」の本を読んで「自分が何を感じているか自覚する」ことがいかに重要かを学んだとき、「足元が不安定な場所」だと過去の体験ではなく、「今の」自分の感覚に集中せざるを得ない状態だから良いんだ!ということに気づきました。
実際、登山している道中はクライミングコースなど岩場にしがみつきながら登っていくスリリングな瞬間もあって、どの手でどの岩を掴んで、足はどこにかけて、ちゃんと岩に引っかかってるかそれぞれの感覚に集中しないとおっこちちゃいます。。。
触覚だけでなく大自然の中で視覚、聴覚や嗅覚など五感をしっかり使って味わうと、見上げる空ひとつでもまったく同じ状況というのは存在しないので、フラッシュバックを起こした時でも自分が今どこにいるのかを確認できるスイッチを自分でいくつか作ることができるようになります。
ちなみに山頂で食べるカップラーメンは最高に美味しいです^^
自分の内側の反応に敏感になっていくと、自分の外側の自然界を観察するとき、動物や植物の生命の強さや自然の美しさに触れると自然と心が動くようになり、それがストレスを軽減させたり安心感を与える作用になるオキシトシンというホルモンを活性化させることにもつながります。
実際に日本では「森林セラピー」ができる認定の森が各地にあります。関東で私がお気に入りの場所は奥多摩です。都内から1時間ちょっとドライブすると大自然の中でハイキング・森林セラピーを楽しめます。
森の中で呼吸法やアロマテラピー等を組み込んだ心のリラクセーション・プログラムや、ウォーキングやノルディックウォーキングの運動を通じた身体のフィットネス・プログラムを行う森、温泉やヘルシーな郷土料理を楽しめたり、医師と連携して健康相談を行う森もあるそうです。
ぜひみなさんもご自身の近くの山や森で「感覚を自覚する力をアップ」させるトレーニングを始めてみませんか?
森林セラピー公式サイト→https://www.fo-society.jp/therapy/index.html