健康の秘訣は腸にある?!ー腸と仲良くなろう
気分の変化や体重の増減・かかりやすい病気・免疫系の強さなど、だれもが気になるテーマですが、実はこれってぜんぶ腸と関係があるんです。
なにが体にいいのか?情報が多すぎて混乱するほどで、その時その時でメディアが勧めるものに翻弄されがちですが、注目すべきは「腸」で、まずは腸と向き合っていけばいいと思うと少しとっつきやすくなりますよね。
それで今回は、NETFLIXで視聴できる「健康”超”分析:知られざるオナカの世界」という、腸が全身にどのような影響を与えるのかを理解し学べるドキュメンタリーがとても興味深かったので、要約してまとめていきたいと思います。(ネトフリ契約されている方は映像がとてもわかりやすいので実際に視聴されることをお勧めします。)
第二の脳ー腸の働き
現在腸に関する科学の97%は未知だと言われていますが、少しずつなにを食べれば体にいいのかがわかってきています。
腸のことを話題にするのはちょっとな〜と恥ずかしい気持ちになる方もいらっしゃるかもしれませんが、腸のことを知れば知るほど、そのシステムの凄さに敬意すら覚えるようになるかもです^^一緒に腸と仲良くなりましょう♪
みなさんよくご存知のように、食べたものはまず食道を通り、胃に運ばれそして小腸に行き、残ったものは大腸に、そして本当に必要のないものが肛門に運ばれていきます。
・感情や行動、健康に影響
不安症やうつ病、ガンに自閉症、パーキンソン病といった病気も実は腸に関係があるそうです。腸は第二の脳とも言われていますが、私たちが思っている以上に心身全体に大きな影響を与える存在です。
「腹が立つ」
「腹を括る」
「背に腹はかえられない」
といった言葉からイメージできるように、おなかが感情や行動にも影響を与えていることがわかりますね。
腸の環境を整えることがひいては自分の心身の健康はもちろん、感情にも働きかけるので、家庭や学校・仕事での人間関係にも影響があります。感情は自分自身の行動にも直接左右してくるので、それがやがて自分磨きの成長に繋がっていきます。
腸内環境が自分の人生・未来を変えていくとなれば、ちょっと真剣に向き合おうかなと思いませんか^^
腸内環境を変える鍵ーマイクロバイオーム
腸内環境を整えるためには、まず腸の働きをサポートしてくれている細菌たちの存在を知ることが大事です。
実は私たちの腸は細菌たちの力を借りないと消化できないようなシステムになっています。この微生物の集まりがマイクロバイオームと呼ばれています。
細菌の99%は無害と言われていて、役に立つ菌たちです。私たちの体に住まわせると力を発揮してくれます。食べ物の消化を助けたり、炎症を抑えて免疫系を整え、自己免疫疾患を防いでくれています。
免疫系の約70%は腸内にあると言われていますが、腸内のマイクロバイオームは免疫系を鍛え、健康を害するものに対抗できるようにしてくれています。
他にも細菌はホルモンを調節したり、空腹感や満腹感を与えてくれるなど、生まれた時からずっと脳や他の器官と連携し、私たちの成長を守ってきてくれている存在です。細菌ってすごいですね。
食べるものが一緒でも人によって違うのはなぜ?
細菌が私たちの身体や生き方にも影響を与えているということですが、今ではそのマイクロバイオームが肥満やうつやアレルギー、ストレスの感じ方まで左右していることがわかっているそうです。ただどの程度の影響力を与えているかは個人差はあるそうです。
実際に、同じようなものを食べていても体力が違ったり、アレルギーが出たり、太ってしまうのは何でだろう?って思いますよね。ドキュメンタリーで出演している4人の方もそれぞれ人種や背景が異なりますが、ダイエットに失敗したり、拒食症や過敏性腸症候群で悩んでいたりと症状が様々の方がいました。
人によってなぜこんなに違うのか?それはマイクロバイオームが人それぞれ違うから!だそうです。それを理解するためには細菌がどこから来るのかを知ると納得がいきます。
自然分娩であれば生まれる時、赤ちゃんはまず最初に母親の膣の細菌と接触します。頭から出てくるのも実は腸内細菌と関わりがあって、お母さんのお尻の方から出てくる時に、お母さんの腸内細菌たちが赤ちゃんの中にたくさん入り込んでいきます。
この最初の入居者でもある腸内細菌たちが他の細菌たちのために住みやすい環境を作り出す、いわばパイオニアみたいな存在です。腸は免疫系の約70%を担っているガードマンでもあるので、まずはそこがしっかりすることで、健康な赤ちゃんでいられます。
マイクロバイオームは日常生活を通じて形成されていきます。キスや口に入れるもの、行った場所、食べたもの、兄弟との接触、ペットを飼っているかどうか、運動、ストレス、子どもの頃の体験、逆境を経験したかどうかによっても変わっていきます。
だからみんなそれぞれマイクロバイオームは違います。
健康の鍵が遺伝子ではなく、マイクロバイオームだというのは希望が持てます!なぜなら遺伝子は変えられませんが、食事や生活習慣を変えるだけで細菌の種類を変える力は誰でも持っているからです。今の自分のマイクロバイオームは、今までの自分の環境や食事によりますが、未来の自分のマイクロバイオームは、今からの食事や生活習慣で変化させることができます!!
細菌の健康を左右するのは食事
「糖質0」「ビタミンC配合」など最近は特に、なんとなくヘルシーに見える表示が多いのでついつい買いたくなりますよね。でも成分表をちゃんと見ると結構いろんなよろしくないものが入ってることが多いです泣
マイクロバイオームを健康にするためにはどうしたらいいんでしょう?
ドキュメンタリーではマイクロバイオームを森に例えています。
健康な植物を少し植えても森は変わりません。森には植物や生命が育ちやすいバランスの取れた環境が必要です。光や水、土壌の養分などが共に機能する環境です。マイクロバイオームも同じようにいろんなものが絡み合って機能しています。
腸内細菌の栄養分でもある食物繊維ですが、マイクロバイオームの研究者たちは一日50グラムは必要だと考えています。アメリカ人は平均15gだそうなので、意外とたりてないですよね。
1cupあたりの食べ物に含まれる食物繊維の量は?
白米0.6g
ステーキ0g
にんじん3.1g
オートミール4g
ほうれん草4.3g
ブロッコリー5g
グリーンピース7g
アボガド10g
アーモンド16g
豆16g
チアシード40g
大事なのはできるだけいろんな種類の果物や野菜をお腹の細菌に食べさせることだそうです!
野菜を食べるのが大事なのはなぜか?野菜と加工食品の違いについてみてみましょう。
加工食品の場合は小腸に入って何センチかで速攻血液に取り込まれていきます。そして一気に流れ込んだ糖類が細胞に詰め込まれます。血糖値が急激に上がる現象ですね。
これは体にとってはものすごくストレスのかかる作業です!大量にきた物資をとにかく仕舞い込もうと必死に働かないといけないからです。イメージとしては毎日引っ越しや旅行後の荷物の整理をしているようなものかもですね。
一方野菜に含まれる食物繊維の消化はゆっくりです。少し取りこまれては進み、を繰り返しながら進んでいきます。そして大腸に辿り着き、そこで細菌たちの食糧にもなります。こっちの方がゆとりがあって働く細胞たちにとっては余裕のある環境ですね。
腸内にいろんなタイプの細菌が増えれば日々の生活にも柔軟に対応できるようになっていきます。もし腸内細菌に十分な食物繊維を与えないとどうなるでしょう?
なんと食べ物がもらえないと細菌たちは私たちを食べ始めます。。
腸内細菌は私たちの役にたつもの、、ですが細菌なので友好的な付き合いが大事です。
それを助けるのが「粘液」です。粘液は浸透性があり栄養素を通し、細菌が腸の組織に入り込むのを防ぐ働きがあります。もし食物繊維を取るのをやめると、お腹が減った細菌は非常食として粘液を食べだします。そうすると粘液の壁に隙間ができ、腸内細菌が本来いくべきでないところに行ってしまいます。
するとそれを見た免疫細胞が防御体制に入ります。免疫細胞たちが細菌を攻撃することでその周りの組織もダメージをくらい、腸内環境のバランスが崩れてしまいます。
これが、炎症性腸疾患や過敏性腸症候群などを引き起こす原因の一つになると言われています。
おなかの痛み、炎症はストレスはもちろんですが、もしかするといつもは腸内にいて私たちを守っているはずの細菌が栄養不足なのかもしれません。
じゃあ、今日からいきなり食物繊維を50g摂取しなきゃ!!とはならないでください笑
急に健康的な食事をするとお腹が張ったり痛くなったりします。消化吸収する力が弱まっているからです。なので食事を変える時はゆっくり慣らしながらやっていくのがポイントです。
ダイエット成功の秘訣ー細菌の種類の数を増やそう
「ダイエットとは生活習慣を一生変えること」こんな名言がドキュメンタリーの中で出ていました。単発でなんとかなるものではなく、継続性が大事だということです。「たった〇〇日でマイナス〇キロ成功!」なんて言葉にだまされてはいけません笑
「これさえ食べてたらOK!」というのが間違いだというのも、さっきの森の例からも分かります。
実際、全く同じリンゴを3人が食べたとしたら、同じリンゴに対して3通りの反応をします。消化の仕方はそれぞれ違って、取り込める栄養素も違い、摂取カロリーも違います。同じものを取ると結果は一緒だと思っちゃいますが、実は違うんです。なのでリンゴ自体を測るのではなく食べる人を計測しないといけません。食後2時間の血糖値を測って、どんな反応があるのかを確かめることもできます。
マイクロバイオームの研究者ジェフ・ゴードンの一卵性双生児の細菌を使った研究で興味深いものがあります。片方が肥満でもう片方が痩せ型の双子の腸内細菌を別々のマウスに移植します。
同じ食べ物を与えた結果、肥満型の細菌を与えたマウスは痩せ型の細菌を与えたマウスに比べ体重が増えたそうです。これは同じものを食べていても人によってなぜ減量に苦労するのかを知る手掛かりになりますね。
ダイエットの鍵も実はマイクロバイオームが関係しているということです!
ドキュメンタリー内では減量に挑む(けど苦戦)中の母親キミーが出ていました。彼女は子育てや仕事で動き回ってストレスを抱える毎日で、いろんなダイエットをやったけどすぐリバウンドするという状況でした。「死ぬまで付き合う体だから元気でいたい」でも、何を食べたらいいのかで悩んでいました。
彼女の腸内検査の結果、細菌の種類が少ないことがわかり、特にプレボテラという種類の細菌が0でした。このプレボテラという種類の細菌がいない人は体重が減りづらいそうです。また満腹感を与える腸の生成に関わる細菌が少なく空腹を感じやすいということも判明しました。
専門家たちはキミーに、カロリーではなくて1週間に食べた果物や野菜の種類の数に注目するようにアドバイスをしました。1週間のうちに野菜や果物を20~30種類を目標にするといいそうです。
マイクロバイオームという生態系を整え、ハンバーガーを食べても太らなくするには9ヶ月から1年もの間、食生活を整える必要があるそうです。逆を言えば1年で腸内環境を整えると、痩せやすい体質が手に入る!となるとやってみる価値はありますね。今から始めたら、来年の秋にはみんなでBBQ楽しめますね^^
被験者から集めたマイクロバイオームのデータを集めることでその人にどういう食事がいいのかを予測できるそうです。人によってどの食材が相性がいいのかは違うようで、だからこそ地球にはいろんな種類の食材があるんだな〜と感動しました。
腸は脳にとって重要なアドバイザーとして情報を収集して脳に送っています。そして一部の感情も生み出しています。腸と脳は双方向で対話をしている大の親友のようなものです。「食」が腸に良くも悪くも影響を与え、そこから脳に影響が出ます。
お腹が減ったり、何かをすごく食べたくなるのは、お腹の中で細菌たちが「ねぇ、あのチョコが食べたい」って言ってるからかもです笑
糖質を取れば糖質を好む細菌が増えていきます。私も日本ではほとんど食べなかった甘いものをメキシコに行くとよく食べていました。逆に日本に戻ると甘いものの欲求がなくなります笑 細菌様様、面白いですね。
うつとマイクロバイオームの関係
腸と脳が大の親友だということでしたが、腸と脳の問題が同時に発生する症状は身近にあります。自閉症やパーキンソン病に多く見られますし、不安症やうつなどストレスが原因となる精神的な疾患にもよく見られます。
ここ5年ほどでうつに似た症状を持つ人には感情を変える脳内物質セロトニンの生成に関わる腸内細菌が少ないことがわかっています。それが鬱の発症と関係があると考えられています。
それを裏付ける実験があります。マウスに健康な人の腸内細菌を移植し自由に行動させます。そうするとそのマウスは明るい場所を好み、好奇心旺盛に活動します。逆にうつ病の人の細菌を移植すると、そのマウスは暗い場所に身を寄せ合いストレスや不安をみせ、鬱病に似た行動をとるそうです。
この行動の違いは、気分をコントロールしてくれているセロトニンに関わる物質に変化があるからで、うつ状態のマウスにうつ病の多くの人に欠けている細菌を与えると鬱の症状が和らいでいったそうです。うつ状態ではあっても感じ方が軽くなるようです。
マイクロバイオームが心身に影響を与えていることを示す別の例として、FMTー糞便移植と言われる治療があります。健康な人の糞便を移植する治療ですが、現在さまざまな症状に効くかどうか研究されています。
実際に出演者の一人、ダニエルが糞便移植をトライしていました。彼女は糖質過多の偏った食事で過敏性腸症候群になりトイレにもいけなくなるほどでした。食事制限のため10〜15品ほどからしか食べれず、サプリでなんとか栄養補給しているという人です。
彼女はまず最初に兄にドナーになってもらいます。そうすると食事は全く変えていないのに少しずつ体重が増えたそうです。自然な排便もできるようになり、3年ぶりにトイレに行けたそうです。
しかし、ニキビができ始めます。実は兄にはホルモンの乱れでニキビがあったそうです。
次はパートナーにドナーになってもらいます。彼の体には問題ありませんでしたが、精神面に問題を抱えていたそうです。何ヶ月か使うとニキビは消えます。しかし、しばらく続けるとひどい鬱の症状になったそうです。ドナーを兄に戻すと1週間で鬱は完全に治ります。
腸内細菌が変わることで、心にも体にも影響があることがダニエルの例からもよく分かります。
ただ糞便移植にはリスクもあって善玉菌だけでなく悪玉菌も一緒についてくる場合もあることが現段階の問題です。自己流で自分を実験しないように注意です。。研究が進んで善玉菌だけ移植できるようになると、病気を抱えている人たちの未来がガラリと変わるので楽しみな分野ですね。
食事を美味しく健康に食べよう!
今回はマイクロバイオーム、腸内細菌が私たちの心や体の健康、感情や行動にまで影響を与えるということを学びましたがいかがだったでしょうか。
ある人は60種類の野菜が入ったスムージーを毎日飲み始めると、数ヶ月後、最初よりも多様な細菌が住むマイクロバイオームになったらしいです。
私も今回色々腸内細菌のことを知って、タンパク質には力を入れていましたが、食物繊維も意識しようと思いました。最近は毎朝飲んでるプロテインにバナナと黒胡麻きなこアーモンドの粉末をミックスしています。
自分に合った食材を選んで自分の薬剤師になれるといいですよね。今日食べたものは明日のマイクロバイオームに影響するので、気にするのはカロリーではなく食べた果物と野菜の数を見ていきましょう!毎週20〜30種類の果物や野菜を食べれば優秀です^^
何を食べたらいいのかわからなくなったら、昔の人が食べていたものを考えるのはヒントになります。野菜・果物・ナッツ・豆・いろんな細菌で溢れている発酵食品などがありますね。
自分で簡単に作れるものとして、野菜に塩をふりかけて室温で置いておくと2、3日で美味しい発酵食品になります♪
そして変化を試みるときに覚えておきたい大事なポイントがあります!
「ちょっとずつをゆっくり慣らしながら」です。
最初からかっ飛ばして2、30種類をはじめないことです。がんばりすぎは禁物です笑
出演者の中でパティシエのマヤという人は、オルトレキシア摂食障害(健康にいいというものしか受け付けない)で悩んでいました。普通の食事を体が受け付けず、豚肉などを食べるとお腹がいたくなるといった感じです。
専門家たちはマヤに、ほんの少し食べて時間をかけて増やしていくようにアドバイスをします。その結果ポテチを1日3枚ずつといった感じではじめると、不安にならずに済み、食べることを楽しみながらできるようになっていきました。
少しずつを味わってを習慣づけるためには食後にどう感じているか?を観察するのもいい方法です!
1時間半、2時間後に食物は血液に取り込まれていきます。
ケーキやポテチは美味しいですが、しばらくするとボーっとしたりだるくなったりします。
お米や野菜は病みつきにはならないかもだけど、反応は安定しています。反応は人それぞれなので自分を観察してみましょう!
生活習慣を本気で変えるかどうかが大事です。
心と体の健康・感情・行動、そしてそれが結果的には自分の未来や周りの大切な人たちに影響を与えている「マイクロバイオーム」
あなたのマイクロバイオームのためにも食事を健康に美味しく食べましょう!
うんちは腸からのメッセージです。
たまには観察して、体の声を聞いてみてあげてください。
そしてあなたの腸と脳が悪友ではなく、良き親友になりますように。
さて私のマイクロバイオームに今日なにを食べさせようかな笑