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「過去」と「未来」をつなぐあなたの物語──人生の棚卸しで見える、新しい自分

人生100年時代と言われる今、
「これからの人生、どうやって過ごしていこうかな…」
そんなふうに、ふと立ち止まって考えることはありませんか?

「なんとなく不安…」
「過去の出来事が頭から離れなくて、前に進めない」
──そんな気持ちを抱えている方も、決してあなただけではありません。

子どもが独り立ちしたり、今までやってきた責任ある仕事を他の人に任せられるようになったりして、人生の折り返し地点に来ると、「この先どうしよう」って考える瞬間が増えてくるものです。
しかし、これまでの経験をやさしく振り返り、整理してみることで、「これからどう生きたいか」や「本当にやりたいこと」が、少しずつ見えてくることがあります。

この記事では、過去も大切にしながら未来への一歩を踏み出すための「人生の棚卸し」の方法をご紹介します。

人生の棚卸しをすると、自分の強みや弱み、そして本当に大切にしたいものが浮かび上がってきます。それは「レジリエンス(心の回復力)」を育て、困難なときにもしなやかに立ち上がれる力になります。

さぁ、ここからが新しいスタートです。
これまで歩いてきた道をそっと振り返りながら、未来に羽を広げる準備を一緒にはじめましょう。

どの世代にも必要な「心の回復力」=レジリエンス

生きていくうえで、体力が大切なのは言うまでもありません。
でも、それと同じくらい、今の時代を生きるすべての世代に必要なのが、「心の回復力」です。

心理学では、この心の回復力のことを「レジリエンス(resilience)」と呼びます。
もともとは物理学の言葉で、バネが押しつぶされても元に戻る「弾性」を表す用語でした。

心の世界でも、この性質はよく似ています。
レジリエンスとは、

どんな困難やストレスに直面しても、折れずにしなやかに立ち直り、
ときにはそこから新しい力を得て成長していく力

のことを指します。

つまり、ただ元に戻るだけじゃなく、「前より少し強い自分」に変わるための柔らかいしなやかさ。
それがレジリエンスの大きな特徴です。

レジリエンスが高い人は、失敗や逆境にぶつかっても、
「ダメだった」で終わらせず、そのたびに立ち直り、学びを糧にして前に進みます。

そして、これは特別な人だけが持っている力ではありません。
誰でも、育てることができる“心の筋力”なんです。

「振り返る力(リフレクション)」がレジリエンスを育てる

実は、レジリエンス(心の回復力)が高い人は「振り返る力」がある人だと言われています。
ここでいう「振り返り」とは、ただ反省することではなく、過去の経験を客観的に見つめ直し、未来に活かすための「リフレクション(内省)」のことです。

振り返りがもたらす3つの力

  1. 過去を学びに変える
    レジリエンスが高い人は「ただの失敗」で終わらせません。
    「この経験から何が学べる?」と考える習慣が、次への挑戦のエネルギーになります。
  2. 「また乗り越えられる」という自信が育つ
    自分の強みや工夫、乗り越えてきた過程を振り返ることで、現実的な自信(=自己効力感)が高まります。
    「前もできたんだから、きっと今回も大丈夫」そう思えることが、心の土台になります。
  3. 新しい視点と柔軟さが生まれる
    過去の出来事を多面的に見直すことで、「違う捉え方」や「別の可能性」に気づけるようになります。
    これが、困難をチャンスに変える“しなやかさ”につながるのです。

具体的な特徴

  • 成功・失敗を客観的に分析し、次に活かせるヒントを見つける

  • ネガティブな出来事を「最悪」だけでなく「別の視点」からも捉え直せる

  • 自分の成長や変化に気づきやすくなる

こうした「振り返る力」を育てることで、過去はあなたの足を引っ張るものではなく、未来を切り開くための地図に変わっていきます。

私は「振り返る」ことを山登りでよくイメージします。

もし今、あなたが富士山の八合目にいるとしたら──
空気は薄く、体力も限界で、「まだ山頂までこんなにあるのか…」とため息が出るかもしれません。

でも、そこで一度後ろを振り返ってみてください。
眼下には雲海、遠くには街並みが広がり、これまで必死に登ってきた道のりが見渡せるはずです。

そのとき、きっとこう思うでしょう。
「ここまで、よく歩いてきたな」
「ちゃんと登ってこれたんやな」

それを実感できた瞬間、心の奥にじんわりと力が戻ってきます。
振り返ることは、立ち止まることではありません。
次の一歩を踏み出すために、心にエネルギーをチャージする時間なのです。

人生の棚卸し:過去の自分と向き合うことから始まる

レジリエンス(心の回復力)を育てる上で大切なのは、「未来に進むために、過去を整理する時間」を持つことです。
おすすめなのが「人生の棚卸し」。

棚卸しと聞くと、ちょっと重たく感じるかもしれません。
でも実際は、自分が歩いてきた道を振り返り、どんな力を得てきたのかを確かめる作業です。
終活の準備の一部としても役立ちますが、どの世代にとっても、今の自分を見つめ直し、これからの道筋をつくるための大切なプロセスです。

人生の棚卸しで振り返る3つのポイント

1. 過去の成功体験・失敗体験を整理する

あなたがこれまでに積み重ねてきた経験は、すべて未来のヒントになります。

  • 成功体験:うまくいった理由を3つ挙げ、その成功の裏にあるあなたの強みを見つけてみましょう。

  • 失敗体験:悔しかった経験から「次に活かせる学び」を3つ書き出してみましょう。

成功も失敗も、ただの出来事で終わらせず「資産」に変えることができます。
「前はこんなふうに乗り越えられた」「あの失敗があったから今がある」
そう思えたとき、過去が未来を支えるあなたの味方に変わります。

2. 大切な人との関係を振り返る

人とのつながりは、心のエネルギー源です。

  • 感謝を伝えたい人を3人挙げ、その理由を書いてみましょう。

  • 良い関係を築けた要因を3つ分析しましょう。

  • 改善したい関係があれば、できることを3つ考えてみましょう。

過去の関係性を見直すことで、あなたは「支えてくれた人」に気づき、これからの人間関係をもっと豊かにするヒントが見えてきます。

3. 価値観の変化を見つめる

価値観は、人生の中で少しずつ変わっていきます。

  • 過去と現在で変化した価値観を3つ書き出してみましょう。

  • その変化のきっかけを探ってみましょう。

  • これからの生き方にどう活かすかを考えてみましょう。

「昔は結果がすべてだと思ってたけど、今は過程も大事だと思える」
そんな価値観の変化を見つめることで、あなたはこれまでの成長を実感し、未来に向けての新しい指針を立てることができます。

振り返りは「未来の地図」になる

人生の棚卸しは、過去を責めるための作業ではありません。
むしろ「これまで積み上げてきたもの」を確かめ、未来に進むためのエネルギーを満たす時間です。

まるで富士山の八合目で振り返るように──
これまでの道のりを見下ろしたとき、「ここまで来れたんだ」と感じられる瞬間があります。
その実感こそが、次の一歩を支える力になります。

50歳からはじめるわたしの物語カフェ

もし、この記事を読んで心の筋トレ「ちょっとやってみようかな」と思ってもらえたら嬉しいです。
年齢と共に身体の回復力は衰えていきますが、「心の回復力」は年齢を重ねるうちに高まっていくものだと私は思っています。
でも、一人でやるとどうしても手が止まったり、視点の切り替えがうまくいかず、振り返る作業がしんどくなることもあると思います。

そんな方のために、「人生の棚卸しワークショップ」をご用意しました。

  • 過去の経験を整理して、自分の強みや価値観を再発見

  • 「感謝の関係」「改善したい関係」を一緒に振り返り

  • これからの人生に活かせる“未来のキーワード”を見つける

少人数で、安心できる雰囲気の中、セラピストが伴走しながらサポートします。
「心の地図を一緒に描く」ような時間にできたらいいなと思っています。

こんな方におすすめ

  • 自分の棚卸しをしたいけど、なかなか進まない

  • 価値観を整理して、これからの指針を見つけたい

  • 終活やこれからの生き方を前向きに考えたい

  • 安心できる場で、自分の気持ちを言葉にしたい

最初の開催場所は、新ゆりグリーンプラザ商店会内に新しくオープンした 「たかはし珈琲」 さん。
地元の方に愛される、居心地のいいカフェでお待ちしています。
美味しいドリンクとドーナツと一緒にあなたの物語をゆっくり聴かせてください。
ワークショップの詳細は、こちらのホームページのワークショップ欄から。

一人で抱えず、一緒に振り返ってみませんか。
あなたがこれまで歩んできた道のりを、これからの力に変えるために。

どうか、忘れないでください。
あなたの物語には、まだ続きがあるのです。

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