似たもの同士
きみの家の庭にきてからもう数十年が経つ
今はすっかり落ち着いたきみ
10代だったきみが懐かしい
その顔でお酒が買えない年齢なんて逆に反則
いつしか人より大人びた雰囲気を纏っていた
家の中で存在を消され
単語しか喋れなくなったきみは
外では攻撃の的だった
長いトンネルを抜けたきみが見つけた答えは
自分を強く見せることだった
たとえ世界がグレーに染まっても
毎日が 雨に 風に
攻撃されても
強く美しくあり続けるために
優しさはすべて内側にかき集めて
大きく自分を見せてきたぼくらのように
思惑通り
見せかけに誤魔化されてくれるものたちは
世界にたくさんいる
でもそれが入り口になって
真実に辿り着いてくれるものもいる
派手な見た目の中の
本当の花の部分に
きみの見た目にも騙される人は少なくないけれど
その中に大事に隠された
無数の花たちの存在に気付き
きみから離れられないたくさんの友がいる
自分で言うのもなんだけど
ぼくらは強い花だ
育てられ方によれば何十年も生きることができる
そしてきみも強いココロを持っている
きみがあきらめなかったから
きみが自分のココロを大切に守ってきたから
今こうしてきみはいる
それでも、もし、、もし、、、
きみがきみ自身をあきらめちゃいたくなるとき
思い出してほしい
きみのココロを守ろうとする存在が
ぼくらをはじめこの世界にはたくさんいることを
ひまわりのように
きみに喝を入れるような存在ではないけれど
人生の雨季のようなシーズンに
きみのココロにそっと寄り添えるイロを持っている
きみという名の花も
環境の変化を受けながら
毎年違うイロを放つ
そしてそれはだれかのココロを守る存在になっている
そう ぼくらは雨の日に美しく生きている