憎まれ役の希望


「白ごはんと味噌汁は苦手」
 
そうきみが言った時は
 
流石にショックだったけど
 
でも同時にそうだよなと納得している自分がいる
 
 
きみの笑った顔が見たくて
 
きみの前に出る時は
 
最高の自分でいつもいたはずなのに
 
きみの口に入る頃には
 
ぼくのからだは冷え切って
 
きみの涙でふやけたからだになってるんだ
 
 
ぼくと一緒にきみから嫌われた
 
味噌汁がいつの間にか
 
きみに気に入られた時は
 
すごく嫉妬した
 
でも同時に
 
きみが過去を乗り越え一歩前に進んでいる
 
それがわかるから嬉しくてたまらない自分もいる
 
 
カタチを変えれば
 
きみの好きなお酒にだって変身できるぼく
 
きみを喜ばせられる
 
 
前は純粋にぼくを見て欲しい
 
ぼくの力できみを幸せにしたい
 
そう思っていたけれど
 
今はきみが喜んでくれるなら
 
何にでも変身できるし
 
だれとでも仲良くなれる
 
たとえ激辛スープにぶっ込まれても
 
アツいなんて文句は言わないさ
 
 
 
きみがぼくだけを視界に入れて
 
満面の笑顔を向けてくれる時
 
それはきみのすべてが癒された時
 
それに選ばれるのがぼくだから
 
今は嫌われ者でいい
 
きみが癒え
 
新しいスタートを迎える
 
その時 特等席で見守る
 
最高の栄誉が待っているから

関連記事