友だち候補
まだ夜が明ける前の薄暗いとき
ぼくは指示を出す
きみが昨日手にしたコたちから情報を集め
きみが興味があるだろうジャンルのコたち
きみの目を輝かせられるような精鋭たちに
顔ひとつ分一歩前に出るように
きみの目にとまるようにと
きみが飽きないように
ニューフェイスが来たら
特等席に案内する
きみと仲良くなって欲しいから
休み時間は恐怖の時間だと
孤独から言葉のナイフから
逃げるようにぼくのところに駆け込む
ここは一瞬できみを
違う世界へ連れて行ける
年代も国も次元も超えられる
ここにいるきみの待ち人の一人が言っていた
「友情は負の感情を取り除いてくれる
暗闇を吹き飛ばし光と知を見せてくれる」
ここでは世界中から
年代を超えて
きみの闇を吹き飛ばす
きみの友が待っている
知ってる?
ここには何千年も前から
きみへのたくさんのラブレターを抱えた
分厚い本が存在するのを
きみはきっと人生のどこかの瞬間で出会うだろう
そのとき きみは知るんだ
きみが生まれた理由を
ただ誰かのサンドバックとして生まれたわけではない
本当の理由を
一人の人間として
愛さずにはいられない人だということを