きみのデフォルト

「笑っていても心が痛むことがある」

ぼくはそれを知っている

きみが生まれてからずっときみを見守ってきたから

いつからかじぶんを認識できなくなったきみ

不思議そうに自分を見つめるきみ

殴られないように

目元のクマを必死で隠そうとほっぺたをつねるきみ

まわりを心配させないように

一生懸命笑顔を作るきみ

ぼくはきみの全てを憶えている

ぼくに笑顔を作り続けたきみは

いつの間にかそれがデフォルトになっていて

きみの一部

いやきみの１番の魅力になっている

ぼくはきみのその笑顔の厚みを知っている

何層にも重ねられたそれは

きみの涙と叫びと闘い続ける勇気

でもいつか見てみたい

人を幸せに

勇気づけるきみの笑顔

それを

きみ自身に向けるその時を