虹 きみとの約束


ぼくは最初からこの世に存在していたわけではない


息を潜め隠れ

光を見ることも

風にあそばれることも

大地を踏みしめることも

あたたかさも失い

暗闇の中で生きたきみへの

最初の贈りもの


耳に残る叫び声

すべてが終わる絶望の表情

記憶から消したい悪夢のような現実

それを目にしたきみを

癒すために生まれた


ぼくがきみの前に姿を現す条件は

希望

そしてきみ自身

きみが土砂降りの雨を耐えている間

ぼくは光担当にすぐに連絡を取り

きみに送る希望をかき集める

あとはきみが受け取るのに

一番最高のタイミングを待っているんだ


だからお願い

目を閉じないで

いなくならないで


ぼくに約束を守らせて

きみがそこにいる限り

ぼくは世界中を走り回って

きみに送る光をあつめるから


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