ぼくのルーツ

 

「どんぐりの背比べ」

あまりいい意味では使われない

代わり映えのしない

似たり寄ったりの

パッとしない者同士が集まっている

そう世間からは思われている

ぼくもそう思っていた

周りがみる自分を自分だと信じていた

比較と差別と否定の目で見つめられるまま

ぼく自身もその冷たい眼差しでしか

自分を映し出せなかった

薄汚れた

特徴もない

他と見分けもつかないくらい

興味を持たれることもない

傷だらけで地面に横たわる

惨めな姿

空高く地面を見下ろしていた

昔の日々

若くて何でもできるように思えた

堕ちた今

恥と暗闇が身体にどんどん染み込んでいく

消えたい

そう強く願う中

ぼくを見つけたきみ

からだ中についた傷と泥を拭って

きみは思い出させてくれた

ぼくがどこからきたのか

ルーツを

望まれて存在していることを

きみの瞳には

堂々とした立派な姿が映し出されていた

きみは知っていた

ぼくがこの先どう成長するのか

誇らしそうな眼差しの中で

ぼくの未来が見えた

周りに植え付けられたイメージが

間違っていたことに気づいた

もう迷わない

自分の見方を

ぼくが誰かを忘れない

 

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