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やる気を上げてくれるドーパミンを増やす方法

今日は朝からなんだかモチベーションはかなり下がっています。先週から持ち越しているTo Do リストなんて破り捨てたい気分です。着信履歴を見ては部屋に響きそうなため息をつきたくなります。たった1 通のメールの返信でさえも、苦手な料理に手を出すくらいに億劫に感じています。

さぁ、どうしましょう。YouTubeかネットフリックスに、身を任せ、やる気が出るまで現実逃避しましょうか?それとも目を瞑って小人さんが自分の代わりに全てをこなしてくれるように願ってみましょうか?

実はやる気を出すためにもっといい方法があります。すべては、ドーパミンという名前の小さな脳内物質にかかっています。

 

ドーパミンについて

ドーパミンとは快感・幸福感を感じさせるホルモンで、目標を達成したときやその過程で何らかの進展が見られたときに分泌されます。また実際にはまだ達成されていなくても、見返りを得られることを明確に思い描けたときにも分泌されます。

例えば、仕事であれば、ボーナスが出ることを考えるとやる気が出たり、仕事の後の、恋人や友人・家族との時間を考えると頑張ろうと思えます。家庭であれば、家族の笑顔や健康だったり、ちょっとしたコーヒータイムが見返りになったりもします。

目標を達成するとドーパミンによる幸福を感じることができるので、また頑張ろうという気持ちになり、意欲がわきます。

ドーパミンが「報酬系神経伝達物質」とも呼ばれている理由

いかなる目標であれ、その成就に向けて進展が見られたときに、良い結果が得られる期待のもと、脳内の報酬系で分泌されるからだ。

期待される結果の価値が高ければ高いほど、その人は良い結果が得られるようそれだけ活発に行動し、より多量のドーパミンが分泌される。ドーパミンの分泌は、エネルギーの高揚とともに報酬による快の感覚を本人に伝える。また、報酬が得られる活動の実行を支援する。

ー出典:脳はいかに治癒をもたらすか

ドーパミンのメリットとは・・・

  • 幸福感を与えることで動こうとする意欲を上げてくれる→モチベーションUP
  • 動作を促進し迅速に行えるようにする→仕事の効率が上がる
  • その動作に関与する神経回路を強化してくれる→次回はもっと楽にできるようになる

プレッシャーのある仕事や二の足を踏んでしまうような問題に取り組むときには、達成感や満足感を得られて、モチベーションにもつながるドーパミンが私たちの味方であることを思い出してみてはどうでしょうか。

パーキンソン病から学ぶドーパミンの増やし方

ドーパミンを増やす方法はネットを検索すると色々出てきます。

好きな音楽をかけたり、運動をしたり、質の良い睡眠をとったり、達成しやすい目標を作ったり、家族や友人・チームで成果を褒め合うことなどがドーパミンの活性化を助けてくれると言われています。

ドーパミンの減少による病気の一つでパーキンソン病というのがあります。体が動かしにくくなるパーキンソン病はドーパミンが正常の20%以下になると発症すると言われています。

脳はいかに治癒をもたらすか」という本には、「歩くことでパーキンソン病の症状をつっぱねた男」ジョン・ペッパーさんの興味深い話が載せられています。彼は早歩きを継続することでパーキンソン病の症状と闘っておられます。「脳の健康を維持するいかなる実戦においても、運動が必須の要素をなす」という教訓を実際に身をもって私たちに教えてくれています。

同書によると最近の研究では、「パーキンソン病に罹患すると『動こうとする動機』が支障をきたすこと、そして動機づけられれば動けるパーキンソン病患者は多いことが示されている」そうです。

つまり、私たちにやる気を出させ行動に促すためには動機づけが大事だということです。

動機づけに「見積もり機能」を利用する

私たちの原動力になる「動機」ですが、ドーパミンの性質「見積もり機能」を知ると興味深いことがわかります。

何かの活動をするとき、脳はその動作によって得られると期待される報酬がどのくらいかを比較して、努力がどのくらい必要とされるかを計算しているそうです。

つまり、求められるエネルギー、努力に見合わない報酬であれば動作が遅くなります。

好きな映画やアニメを観れると言われると早くご飯を食べてくれる子どもや、残業代が出ない仕事にはやる気が出ないお父さんたちにはこのドーパミンの「見積もり機能」が正常に働いていると言えます。

私もこのシステムをよく使っていて、例えば食卓にカニや魚の煮付けとステーキがあるとすると、カニや魚の煮付けは殻や骨を取らないといけない面倒臭さが見返りとしてくる美味しさを上回るとどうしても手が伸びず、少ないエネルギーで最大の報酬が返ってくる方のステーキを迷わず選びます。

でもよく考えるとこの選択は、私がカニや魚を食べる機会が少なく美味しいものに今まであまり出会っていないからというのもあります。逆に、カニの本当の美味しさを知っている人たちは殻を剥くというエネルギーよりも報酬の方が上回っているので、面倒臭がらずに無心で食べます。

この「見積もり」機能を知ると、私たちを行動に動かすドーパミンをうまく分泌させるには、報酬の良さを自分がどのくらい理解しているか味わっているかどうかも大事だということに気づきます。

「あなたは、動作そのものだけではなく、動作を起こそうとする心のなかの動機が大幅に損なわれる障害にかかっています。しかしその事実を知り、意識的な心的努力を重ねることで、この障害をかなりの程度克服できるはずです」

ー出典:脳はいかに治癒をもたらすか

このメッセージはパーキンソン病の方に向けられたものですが、私たちにも励みを与えるメッセージになっています。幼少期の逆境体験によって何かに興味を持って意欲的に活動しようとなかなか思えなかったとしても、意識的な努力を続けることで無気力という自分が抱えるハンディを克服できるように助けてくれることを教えてくれています。

私も報酬の価値を自分の脳に意識的に植え付けるためにまずはコロナが落ち着いたら北海道にでも行ってカニの美味しさを学びに行こうかと思います。


 

ジョン・ペッパーさんの動画はこちら↓

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